消えた少女

黒縞文月

第1話:消えた少女

 小さな世界で小さな願い事。そんな小さな願い事は叶うこともなく。ただ、少女を悲しみへと追いやるのでした。そして、またその運命を背負う少女が再び生まれてくるのでした。



「お嬢、ここはまた変わった世界だな」

「そうね。なんだか不思議な場所」

二人が目にしたのはとても活気が溢れた都会の風景。どこもかしこも人で溢れ帰っている。タオとレイナはその雰囲気に押されてしまい唖然としていた。

「と、ともかくよ。二人を探さないと!」

レイナは未だ唖然としているタオに言うとタオの腕を掴みずかずかと人だかりの方へと向かっていった。レイナはタオを引っ張りながら考えた。

――数分前。レイナ、タオ、エクス、シェインは前の想区を終え新しい想区へと来たのだが、どうしてかエクスとシェインが一緒に居なくはぐれてしまったのだ。唯一タオと居るのはよかったが二人で行動となると心強いはずが不安でいかたなかったりするのだ。そして、見慣れない想区に唖然とするしかなく。どんな話の想区なのかもわからない。今はまだ何も起こらないがなにか起こっては遅すぎてしまうかもしれない。そんな不安が頭を過っていく。

「ねえ、タオ」

引っ張っている手を離しタオの方へと振り返った。

「え!?」

レイナが振り向き目をやると引っ張っていたはずのタオの姿はなく、一人の少女だったのだ。いつの間に入れ替わったのだろうか、そんな事を思ったがタオがいないということを思い出し少女に聞くことにした。

「ねえ、あなた。ここにもう一人男の子がいたはずなんだけど知らないかしら?」

少女は少し間を置き頭を振った。

「そう……」

「でも、もう一人の少女なら見た……」

「そ、それはどこで?」

突如少女は話だしレイナに案内するといい進んでいく。レイナも藁をも掴む思いでその少女に付いていった。

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