雲の向こうの巨像
それは空に浮かんでいるものと思っていた。
雲の隙間から見えたそれは空に浮かぶ城だった。
しかし雲が晴れて、そうではなかったことにだんだん気づく。
空に浮かぶ城だと思っていたそれは、山のように築かれた巨大な建造物の一部だった。
雲は私からすべてを隠していた。この世界の真の姿を隠していた。
徐々に雲が晴れていく。どこまでも建造物が続いている。
私の周りをも取り囲んでいる。神々の巨像が地上に這いつくばるちっぽけな私を見下ろしている。
人の手で作られたものに違いは無いのだが、どれだけの時間と人手を費やせばこれほど巨大なものが作れるのか想像ができない。
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