ハロー・ワールド

その日が、来る。

ありえないと思っていた事が起きる日。

世界の常識が変わる日。パラダイムシフト。


その当時は当然と考えられていたこと。認識、思想。社会的価値観。


変わるはずのないと思われていた事、人の意識に上ることさえ珍しい程に溶け込んでいた事。

それが変わったことへの衝撃。



人の働き方が変わった世界。

どこかに所属して上から渡される仕事をこなしていく人は少数。

多くの人は自ら動き、何かを生み出している。

色々な枠組みが消えた世界。人々は自由に動き回る。


そんな国に住むプログラマの話。

常夏の国。PCはオンボロ。エアコンは無い。扇風機が主にPCに向けてガンガン回っている。


時々人から頼まれ事を引き受けたりするが、主な仕事はこの島の気象に関する情報の収集。

気球を飛ばして空の様子を調べるのだ。

誰の何の役に立つかはわからない。もちろん金になんてなっていない。


人に求められるものを作って金を作り、それを、なんの役に立つのかわからないことに費やしている。

これほど贅沢な暮らしがあるだろうか。

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