第575話 僕のせいでもある

 バイトを辞めると言い放ち、バイト先でも色々と変化があったようなのだ。

 特定の人に過負荷が掛かっているのは間違いない。

 コレが僕が辞めることで表面化したのだ。

 パート間でも仕事の平等化を進めることにしたらしい。

 本来は当然のことなのだ、時給は同じなのだから、その責任も同じである。

 とはいかないのが現実でもある。

「せっかく桜雪さんが残ってくれることになったのに…」

 仕事ができないパートが、より顕著になってしまっている。

 向き不向きはある。

 指示を出すのが得意な人と、そうでない人との能力差が激しい。

 その桜雪さん、あまりの指示の悪さにキレたのだ。

 バイトの分際で…。


 初日は我慢した…2日目はダメだった。


 パート数名に謝られ、パート間のラインも「桜雪さん、キレました」が回ったらしい。

 まぁ他の人からも文句は出たのだ。

 見えてたことでもある。

 リーダー役など、あの人には無理だと皆が解っていた。

 しかも週末の忙しい時に…

 でも任せた人を責められない、なぜなら、不出来のパートが立候補して今日は自分がやると言い出したからだ。

 身の程知らずである。

 で…その不出来な爪水虫パートにキレたのだ。

 清掃業務ですら、満足にできないのに清掃係の指示などできるはずもない。

 他人の文句と陰口ばかりの女である。

 同情する気にもならない。


 コレが嫌で、辞めようと思っていたのだ。

 僕のイライラは外に向く。

 残ると決めた2日目…早くもキレたのだ。

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