第116話 なぜ僕にだけ2

まだ若い頃の話だ。

小売業で店長として働いていた…お客様に軽トラックにセントバーナード犬を乗せて来られる人がいた。


荷台に乗せられてくるのだが、賢いというか大人しい犬であった。

他の人には…。


なぜか僕にだけ、異様に懐くのだ。

駐車場から遠吠えのように僕を呼ぶ。

目が合うと大騒ぎだ。

近づくと、ガッチリと抱きついてくる…そして顔中舐める。


帰るときは見えなくなるまで吠えまくる。


ベトベトやっちゅうねん!!

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