第102話 手術

何年か前に、簡単な手術をした。

背中に脂肪の塊ができて、摘出手術を薦められたのだ。


うつ伏せにされて、麻酔を打たれる、実は麻酔というか…クスリが効きにくい体質のようで、麻酔は特に苦労するのだ。


手術が始まって、しばらく…とにかく退屈なのだ。

「あの~、何か雑誌持ってきてもらっていいですか?」

「えっ?ダメに決まってるでしょ、手術中ですよ」


そういうものなのか…。


(なんか…痛くなってきた…)

「先生…まだ掛かりそうですか?」

「えぇ…思っていたより、根が深いようなんだ」

「麻酔追加できますか?」

「いや…無理」


『あっ!! さぁ~さー』

方言…やっちゃったの意。


「先生…今…」

「なにも言ってないよ」

「あ~さぁ~さ~って言いましたよね」


手術中に絶対、発してはいけない言葉だろ!!

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