殻に閉じ籠った子供たち

美織

エピローグ

 __運命の書。


 それは、運命の筋道が書いてある一冊の本。


 人は、生まれたときに、その本を手にする。


 ある人は、シンデレラ。


 ある人は、ジャンヌダルク。


 ある人は、赤ずきん。


 だが、稀に見るが、運命の書に対し、もうひとつ、本があるのをご存じだろうか。


 __それが、『空白の書』


 なにも書いていない。


 そう。なにも…


 だが、空白の書の持ち主は、幸せだという人がいる。


 なんせ、自分の運命を自分で選べるのだから。


 だが、空白の書の持ち主は、本当に幸せなのか。


 誰にも相手にされない。物語が終われば、皆から忘れられてしまう。


 それが……本当に幸せなのだろうか。


 そんな子供たちが集まって、今、旅をする。


 まるで、寄り添い合う、小鳥のように__

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