第627話
それは夜鷹としてか、それとも、その客としか。
返答次第によっては師であっても斬り捨てる。そんな狂気じみた殺気が、朝倉の肩から放たれた。
ひゃぁ、と、その場にすくむ師匠。
「待て、待て、落ち着け。クローデット」
「俺が娼婦みたいだってか。それとも男みたいだってか。どっちにしろ、実の親のように思っていた、お師匠様からそんなことを言われるような日が来るとはな」
「おぉ、師匠が、師匠の師匠に対する怒りに燃えている!! この怒り、ノエルにもわかりますよ!! 師匠って、ムカツクものですよね!!」
適当こいたノエルの頭に拳骨を落として黙らせる朝倉。
その凶器のような視線を前に、パラケルススは喉を鳴らした。
しかし、なまじ彼も理事長。
そしてこの狂犬の師匠でもある。
「後者じゃ。理事の中で、男装してあのあたりに出入りして、一番目につかないだろうは、お前じゃろうと、ワシが判断した」
はっきりと、任務への推薦理由を彼は口にしたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます