第571話
かくして、ノエル、そして朝倉によるスライムづくりが始まった。
近くにあった商店からありったけの材料をかき集めて、青バケツでスライムを作っていく彼女たち。
ほどよい大きさにまとめると、ノエルが朝倉にそれを渡す。
すぐに彼女はその腹に、古代文字を硬化させて刻んでいく。
だいたい百体くらいのスライムができただろうか。すぐさま、それを抱えて、ノエルたちは各部屋へと走った。走りながら、扉もついていない遺跡の部屋に、それをひょいひょいぽこりと放り込んでいく。
「これで一晩寝て待てば、目的の文章の第発見とくら。あらまぁ、なんて楽な仕事なのかしら」
「スライムが余計なものまで壊しちゃわないといいですけれどね」
「そういう不吉なことを言うなよ」
とにかく、これで、目的はほぼ完遂だ。あとは宿屋に戻って寝るだけだね、と、伸びをして言う朝倉。
対してノエルはといえば、いつもは楽観的な彼女らしくなく、じとりとした目で、壁を這いずり回るスライムを眺めているのだった。
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