厨二病の弟子

kattern

弟子と破壊神

第1話

「明星と共に顕れし夢幻の悪魔。我、三度奴と相見えるも力及ばず」


「それで?」


「再び目覚めしとき東天既に白く。静寂は引き裂かれ、大気は喧騒に揺れていた」


「なるほど」


「思い出したるはわが師との誓い。師が我の到着を待っている。我、悪魔の下僕たる黒き衣を振り払いて、馳せ参じたり」


「それで髪の毛が寝癖まみれなのね。うん、よく分かったわ」


 クローデットは弟子の頭に跳ね返ったアホ毛を撫でた。

 ほっとした顔をしてこちらを向く弟子に、クローデットは優しく微笑みを返す。


 アホ毛を握り締めて。


「寝坊したなら寝坊したとそう言いいなさいよ!! このアホ弟子ぃ!!」


「すみません、師匠ぉ!!」


 アホ毛引っ張らないでください。

 昼の宮廷にアホ弟子の間の抜けた声が響き渡った。

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