核とファンタジーの陰謀

モトチカ

核と核

号外!絶望が落ちた日

あたしは朝霧カラス。


平凡な日常を過ごしているが楽し過ぎる。

射撃訓練とか最近のマイブーム。


…が、こんな楽しい時間が突如終わりを告げる。


「えー…いま、たった今!米国から核ミサイルが発射されました!」


は?夢か?


「…核ミサイルの発射は確定という事です…核戦争は避けれないことでしょう…なぜ…うっ…なぜ!!」


まてよ…マジな奴か?

テレビにいる男は涙を堪えているが涙線が崩壊したようだ。

迫真の声で伝えてくる。


「前に認証された者は!早くシェルターに避難してください!!!以上!今世紀最後のニュースを終わります!」


くそ…!!


あたしは認証されていたはず、早速シェルターに向かう事にした。


人が沢山いる、ワラワラとシェルターに向かって…。


「おい!シェルターに入れてくれ!」

「…お前は認証されていない!」

「くそぉ…!くそぉ!」


「すいません、シェルターに入れてください」

「名前は?」

「朝霧カラス」

「…認証されているな、こちらです」


認証されてて正解だった。


「この円盤の上に乗って!」

「はい!」


「ウィーン、ウィーン、エレベータ起動、」


「遅いぞぉ! 早くしろ!」

「間に合って…お願い…!」


…やばい、爆発の光が見えて…!


ーーいや、危なかった…あれ?変なのが見えたけど気のせいか…?


「ご無事ですね?」

「はい」


「みなさん!この服を着用してください!」


なんだこれ、黒いスーツだな…。


「…念のため、除染します。 この1人用ポッドに入って下さい」


と言って指された方向にはポッドがあった。


「これ…?」

「そうです」


仕方ないのでポッドに入る。


「冷凍シーケンス移行、冷凍シーケンス移行、これより…」

「れいと…?どうい……う…」





「ーーどうなってるの…?」


…寝てしまったようだ。

出なくちゃ…。


「ねぇ!誰かあけて!」


ガンガン、扉を叩く。


カシューという音を立てて、扉が開く。


「おっと…」


疲れているのか、膝をついてしまった。

…顔を上げた時、変な気持ちが宿る。


「ねぇ、なんでそんなに安らかな顔なの?」


とてつもない感情と沈黙が胸を締め付ける。


「ねぇ…!誰か…答えてよ」


あたしは気づいてしまったみたいだ。


ーーこのついさっきまで、生きていた人々が、

核保護シェルターに入れて安堵していた人々が、

…凍死しているという事を。


「…泣かないよ、泣かないから…生き抜くから」



一筋の涙が走った。

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