黄金色の頃

 色付いた稲穂が風に揺れている

 毎日通る田舎道

 早寝早起きの信号機


 こんな町にもコンビニが出来て

 一日中資源の無駄遣い

 初めの頃居た猫も姿を消した


 毎日少しずつ変わっていく風景

 知らない間に削られていく山々

 放置された田んぼにカラスが遊ぶよ


 家が次々並んでも

 子供の数は減るばかり

 見上げた空は100年前と変わらない


 峠を越えて海に会いにいく

 今は淋しいこの風景も

 僕にとってはお気に入り


 見えないものが見えていた

 あの頃はもう戻ってはこないけど

 陽は沈みまた上るように

 いつだって希望だけは捨てないよ


 夜を飾る虫たちの合奏会

 優しい光に抱かれて

 ゆっくり闇に溶けていく


 明日もまた同じ風景の中を

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