しるし

 見上げれば真昼の月

 とんでもなく大きくて

 空の半分を占めている


 今にも落ちてきそうだ

 クレーターの数までハッキリ見える

 だけど色は透けている


 本物なのか幻なのか

 人々はただ混乱するばかり

 ただそこに月があるだけなのに


 ああ これは夢だ

 悟った人は元の生活に戻ってく

 考えを止めた人で溢れてく


 空の月、夕暮れに紅くなり

 涙のような何かを流してた

 誰に気付かれる事もなく


 都会のノッポのビルたち

 頷くように崩れてく

 月の心がしみ込んでいく


 そして雲が一面空を覆い

 やがて闇が晴れた時、

 月はまたいつもの姿に戻ってた


 大きいクレーターひとつ

 街の真ん中に残して

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