マイペースくんと内気ちゃん

こびと

私に勇気をくれた人


今でもたまに夢に見る。


それは幼い頃の思い出で。


幼い私と幼い男の子。


確か、男の子は幼馴染だった。


いつも、隣で私を支えて笑っていてくれた。


私は昔から内気で気弱な、所謂人見知りの引っ込み思案。


男の子は、とても穏やかで優しくて…所謂のんびり屋のマイペースだった。


男の子は、いつも1人になりがちな私に優しく手を差し伸べてくれた。


いつも仲間に入れてくれて、話を振ってくれて。


私はそんな男の子と一緒にいるのが、何よりも大好きで。


けど、男の子は小学校2年生のある日…転校してしまった。


私は泣いて泣いて、男の子を引きとめようとした。

でも、やっぱり無理で。


男の子は私をぎゅっと抱きしめてくれて、優しく笑って涙を拭ってくれて。


「ケルシー、なかないで?ぼく、ぜったい、ぜーったいにここにもどってくるよ!やくそくだよ!」


その言葉を最後に、未だに男の子には会えてはいない。


…いつか、会えたらいいな


そんなことを、今も思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る