特技は家具の組み立て

男が三段のカラーボックス一個作ってる間に、私は同じカラーボックス一個とテレビ台を完成させる。

そのときはその人が不器用なだけだと思っていたけれど、そんなことはなかった。

私は、自分の身の丈以上の大きさの棚を自力で組み上げてしまったのだ。


就職に際して私は心機一転、親の勧めもあって家具を買い揃えた。私が使っていたものは弟に譲渡。私の部屋くらいしか「大学生の部屋」を見たことがなかった弟は、私の真似をしたのかは知らないが、全ての家具を私と同じくダークブラウンで揃えていたので何の問題もなかった。


まず、憧れていたIKEAに行ってみた。安くてスタイリッシュな家具が並ぶ。


私は大量の雑貨を所持しているので、綺麗に飾れる棚が欲しいと思っていた。母もそれに賛成で、「高くなければ買ってあげるよ」とのことだったので、遠慮なくスネをかじかじさせてもらった。親のスネ美味しい。


私が選んだのは、165センチくらいのガラス棚。ディスプレイには最適だと思い、選んだ。


しかし、地方から出て来ていた両親はすぐに帰らなければならず、開封すらされない状態で棚は放置されてしまった。


棚と共に一人残された私が思ったこと。


「一人で組み立てワンチャンあるっしょ」


結果。


難なく一人で組み立てた。


商売できるんじゃなかろうか、私。

組み立て依頼、お待ちしてます。

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