零式
春日野 晴
プロローグ
1
二十二世紀初頭。
日本は敵対する近隣諸国から侵攻を開始されていた。
北海道、九州、沖縄といった多方面からの攻撃、更には世界有数の軍備の敵国に、日本は成す術がないまま海路の防衛網を突破され、遂に日本列島に上陸された。
世界中が日本の敗北は決定的だと信じて疑わなかった。
本土防衛戦へと移行した、わずか1週間で勝敗は決した。
日本が圧倒的に勝利したのだった。
神風が吹いたのか、はたまた日本が最新鋭の戦車で敵を倒したのか、世界中がその勝利の理由に興味を示した。
日本は以前から他国に侵攻される事を見越し、草薙 零という研究者を筆頭にある研究機関を設けていた。その研究機関から作られたのが日本勝利の理由だった。
通称、『零遺伝子』。
幼児の時に、『零遺伝子』を受けた子供は、身体能力、IQ偏差値が飛躍的に向上していた。
そして、『零遺伝子』を投与した子供の中には、様々な特殊能力を備わった者が存在した。
或る者は、水を操り、また或る者は未来を透視する者もいた。
日本勝利の理由に、こうした超異常能力者達、通称『零式部隊』の活躍によるものだった。
その後、日本は零遺伝子で経済を活性化させる事に重きを置く東日本と、零遺伝子で武力を向上させ、他国の侵略に対抗する西日本とで二つに分かれた。
結果、二十二世紀中頃、日本は世界最大の国家となっていた。
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