第16話 対応してみよう
視界に映されている"Cation"という表示と共に、現状で思った事といえば注意とかそういう警告をいまさら出されても、もう突き刺さってんじゃん、痛覚とか無いのかよ、という事と
突き刺さってるならあれだな、つまり"捕まえた!"というシチュエーションが出来上がってるのにも関わらず、そこからの攻撃をする手段ともいえる兵装を内蔵させなかった拘りの甘さに対して自身への怒りが沸々と……あぁ畜生、まさかこんなシチュエーションが本当におきるとは、悔しい、ほんと悔しい。
表示されている機械生命体の身体への損傷といえば、見事に腹部から背中まで貫通してるのだが、腹部なのでそれほど影響はない。というか無傷に近い。胸部だったらバラストタンクに穴あいてただろうし、ちょっとまずかったかもしれないけれど、さすが耐久性の高さが、他の種族から比べると抜きんでているという仕様は伊達ではない種族である。
ただ、堅牢性を低くした弊害が表面装甲ともなる肌部分を貫くっていうのは、なんともはや、これだから2ndキャラは非戦闘用としか思えないぐらい脆いなぁと、重装甲の1stや防御特化のサポートキャラなら、たぶん貫けないぞ?
というか、さっきから洋上に飛び出したり海へと落下したりを繰り返すカジキマグロもどきの角?の場所に刺さったまま状態という。それに合わせて空が見えたり、海の中見えたりしてるけれど、身体にはなんら影響ないが、視界的にそろそろ酔いそうだな…
そんな間中、ずーっと先端には自分が刺さったままなわけで、たぶんこれはあれだよな、刺さった得物がとれないと足掻いている状態だよな、絶対。傍から見てたら刺さってる人形状態だよなぁ…手足もフリーにしてるし。
飛び出すたびに、あの気持ち悪い口が今にも捕食しようと動かしていたりするしほんとあれキモイ、なんで口の中に口があるのよ、どこぞのエイリアンか何かかよ…後退してくれたら抜けるとは思うけど、魚類にそれを願うのは無理だろうし…
そんなことを数十回繰り返し、それでも刺さった自分がとれないため、あきらめたのか、それとも他の手立てに変えたのか、海中を勢いよく泳ぎはじめていった。
さて、これからどうしようか。
いや、それよりも石を探さないと飯の種にありつけないよな。それに、今どこらへんかな?とMAPを見てみたら、陸地から遠ざかり始めていたりしている。
あ、マズイ奴やん
何か方法無いかなと、右腕に内蔵しておいた銛代わりの棒手裏剣を数個射出してみるも、その角度の甘さからか弾かれてしまったりと、状況的にもよろしくない状況になりつつある。動きを止めるという方法は無理そうか。
仕方ない、相手の推力を利用する為にエネルギー消費が激しいから極力全力は避けたかったが、推進器の推力を増加させてサイドスラスターよろしく進行方向を飛び込んだ湊方面に誘導し…
こいつ予想以上に力強くて速いな。このまま減速せずに行ったら確実に陸にぶつかる。しかし減速用に推進器を一杯まで回すのも、エネルギーを抑えたいというのもある訳で、次はどうするべきか
MAP上には陸地が徐々に近づいてきているのがわかる。くそっ、このまま岩壁とかに突っ込んだら、先端にいる2ndキャラの装甲が甘い自分なんて、下手すりゃペシャンコとかになるオチが待ってそうだ。
それは勘弁だなぁ…機能停止はやはり1stの重装備型で陸地が理想だし。ん?いまの状況で思ったが、宇宙も悪くないな。大破状態で宇宙をさまようとか、あ、それオイシイな。よし、それも候補に入れておこう。2ndキャラで水中ペシャンコは無いという事は確定的事項だしな。
そうこうしていると、だいぶ陸地に近づいてきており、そろそろ動くかと覚悟を完了して行動するのみ。
推進器を使ってやや海面に誘導し、上半身が出た海上から周囲を確認、遠望してたら頑丈そうな
よぉし、準備はできた。
カジキマグロ?の一本釣り開始だ!餌は自分だけどな!
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