技術革新に振り回されることになるサービス(PCサイトの次に何を作る?)

技術革新に振り回されることになるサービス(PCサイトの次に何を作る?)について。


ここで話す内容はエンジニア寄りの話題。



どういうことかというと、新しいサービスを始めるときに『何を作るか』ってことなのですが……おそらくここを読んでいる方はこれだけではピンとこないでしょう。


例を挙げると……。


小説投稿サービスを『今、この時代』に作るとしましょう。

始めの段階では「まずはPCサイトが必要になる」と考える人が多いかと思います。


で、PCサイトを構築しました。


では、小説投稿サービスにはPCサイトだけでいいでしょうか?


ちょっと昔なら、PCサイトだけではなく、スマホからもラクに利用できるようにスマホ用ページを作る(あるいは最初からコンバート可能な仕組みを持つフレイムワークを導入しているかもしれませんけれど)と答えるでしょう。


今、この時代で作るなら、アプリです。

スマホ向けのアプリですね。


最近はそもそもPC向けサイトを持たないサービスだって多数存在していますし。


……と例を挙げてみたつもりですが、ここでポイントになるのは『ちょっと昔なら』と『今、この時代で』の部分。

コストをかけて構築するのですから、できるだけ長く利用できるようなプラットフォームでありたいと考えるのが一般的でしょう。

なので、トレンドを押さえつつも、息の長い環境はどれなのかを開発者は考えねばならないのです。



この話題の中で例にあがったのは星海社さまの公式サイト『最前線』。

サービス開始当時はフィーチャーフォンがまだまだ優勢でスマートフォンが出始めた頃でした。そんな時代にありながら、フィーチャーフォン向けのサイトは構築せず、PC向けサイトとスマホ向けサイトに絞っての開発を決めたそうなのです。


そして今現在、どうでしょうか?

この判断はなるほどと言えるのでは?


ちなみに、「今だったらスマホ向けのサイトではなくアプリを作ったのに……」とOさんはおっしゃっていたそうですが、果たして当時にアプリを開発できる技術者がどれほどいたことか……という話で。


なかなか見極めるのは難しいということもわかっていただけたのではないでしょうか。



サイトのデザインにも流行り廃りがあり、その部分でも調整しやすいようにカクヨムのサイトは作られているそうです。

いろいろユニットごとに切り貼りできる作り(うろ覚え)だそうで。


また、利用者の利用環境(シチュエーション・スタイル)も時代に応じて変化します。

別の章でも触れましたが、小説投稿サイトで公開する小説を『いつ』『どこで』『何を使って』書くのかも変わっています。


人によっては、「家などの落ち着いた場所で」「紙に書く」「PCにむかい文書作成ソフトで縦書きに出力」「投稿サイトの投稿フォームで整形して」「投稿(公開)」の流れだと思います。

が、一方では「外出先の空き時間に」「投稿サイトの投稿フォームで直接執筆して」「投稿(公開)」の流れで発表している人も一定数存在します。


今後どちらのタイプが多くなるのかによって、ひょっとしたらサイトの使い勝手が大きく変わるかもしれません。

あるいは、他の理由でサイトが変わるかもしれません。


ここまでが、技術革新により利用者のライフスタイル(あるいは環境)が変わるとき、サービスも大きく変わっていかねばならない――という話題。


そこに加えて、これまでの利用者の存在も蔑ろにはできないことも話しておりました。


既存の利用者寄りの開発を続けていると、最新の技術に追いつけなくなる。

でも、最新の技術に寄せすぎてしまうと既存の利用者が離れるリスクがある。


このバランスがとても難しい問題なのですね。

最新の技術も取り入れていかないと、トレンドから取り残されてしまう(なんとなく古臭い感じになってしまうってこと)かもしれませんから。



というわけで、技術革新に振り回されることになるサービスの章を終えたいと思います。(オチはないです)






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