日常に滴る雫は、まるで世界の必然のよう。時代に蔓延る理とは

ただの官能表現に情欲を煮え滾らせるだけの物語ではないように感じます。

行為は肯定され、法として遵守すべきものと定義されている。即ち、これは世界の選択。乱痴気時代の幕開けから、整備された世界は色情の魔界と化している。

三大欲求に従うその様は、獣のようでいて、制定されたルールの下で行われる交尾は、限りなく人間臭い。

欲望と理性が奇跡的バランスで成り立っている、奇妙な空間に、読者としては首から紐を付けられているかのように、痛みを感じるほど引っ張られてしまう。

チカンですらも、相手のため。

限りなく平和な世界が、ここにある。



つまりとてもえっちでいいと思いました。