第139話 後腐れ

 ババルとの戦いで倒れてしまったアレクシス


「きゅう・・・」


 そんな状態のアレクスに勇者は屋敷の屋根から飛び降り駆け寄った


「大丈夫ですかアレクシスさん!」


「うぐ、なんとか・・・。回復は出来ても幻肢痛が収まりまらず少々…」


「ああ、傷を回復させてもしばらくその場所が怪我したような感覚が残りますからね。道中も僕が居るからって食材探索だと無茶するからですよ」


「ほほ、ええ…。ユート様よく耐えられますね。同じ様な状態になって改めて感心しましたよ」


「とりあえず治しますね。…一応聞きますが、身体に爆弾とか入ってませんよね?」


「爆弾?持病の事ですか? 特にありませんが・・・」


「それはよかった、後で真理さんに義手を作ってもらいましょう」


「義手!? そんなに酷いケガなんですか!?」


「はは、冗談ですよ」


「本当に痛いんですから、そう言ったご冗談はよしてくださいユート様!」


「はい、ホイリン」


 勇者はアレクシスに回復魔法をかけた。アレクシスは25回復した


「ほほ、先程の冗談で驚いたせいか少し痛みが和らいだ気が・・・」


 アレクシスがそう言って立ち上がろうとしたその時


「・・・・・こっちも驚かせてやろうか、死ぬまでよ」


 ババルが立ち上がった


「あ、ババルさん起きたんですか」


「ほ、バナナさんお目覚めで」


 だが勇者達の反応は薄かった。ババルは雄たけびを上げた


「ババルだ!どいつもこいつも俺を馬鹿に仕上がって! 今度こそ本物だなクソ勇者! この場でまとめて始末してやるぅ!!」


 ババルが地面に刺さった足を抜いて襲い掛かろうとしたその時!


「バルルルルババ!?! ブルル!!??」


 ババルに電撃が走った。ババルは32ダメージ受けた


「バチバチバチン!」


「うが・・・」


 ババルは倒れた。勇者達は混乱している


「どうしたんでしょうババルさん?」


「興奮しすぎて自らを〆てしまったのでしょうか?」


「・・・・ッッ」


 地面からなにか物音がする


「ん、なんだろ?」


「ブシァアァャン!!」


 ババルの足が刺さった場所から何者かが飛び出した!


「重いわあああ!!!」


 地面から真理が現れた。ババルは勢いよく投げ飛ばされお空に消えて行く


「ピュウゥゥ・・・・‥‥……」


 それを見たアレクシスは真理に怒った


「ああ!私の食材がぁ!! なんて事をしてくれるんです!この泥棒ネコが!!」


「食材ぃ? 知らなわよそんな・・・、誰あんた!? なにこの美青年♡」


 真理はアレクシスの素顔を見て混乱している。アレクシスはふらついていた


「ほあ・・・」


「ちょっとアレクシスさん無理しないでください!」


 勇者は倒れそうになっているアレクシスを抱きかかえた


「のほぉ!?」


 真理は謎の声を上げ身構えた┌(┌^o^)┐


「のほッ、クフフフ・・・」


「どうしたんです真理さ・・・、あ!しまった!」


 勇者はアレクシスから手を離した


「みぎゃ!」


 アレクシスは転んだ


「急に手を放すなんてひどいですユート様・・・」


「すみません、緊急事態だったので」


 勇者は長鍋を拾ってアレクシスに被せた


「ほほ、ありがとうございますユート様」


 それを見た真理は正気に戻った


「はッ! ちょっとゆうと! 鍋戻す必要ないじゃない!そのままで良いじゃない!」


「僕の精神衛生上必要です!」


 真理は正気に戻りきれていなかった┌(┌^o^)┐ アレクシスの言葉による攻撃!


「ボクもアナタの今のような顔はちょっと・・・・、生理的に受け付けませんので、直接目を合わせるのか勘弁してください」


「のぉ!?!?」


 真理は精神に17ダメージ受けた┌(┌◎o◎)┐ 勇者はそんな真理を見て言った


「さすがの真理さんでも今のは傷つくんですね」


「真正面から言われるなんて初めてよ!! でも、今のセリフ・・・、うふふふふ」


 真理は精神を28回復した。勇者は動揺している


「くっ、さっきの言葉を腐らせて精神を自己修復したのかッ!?」


 アレクシスは状況が理解できず、やや混乱している


「よく分かりませんが、しぶといお人の様ですね」


 真理は不敵に笑っている


「フフ…、あたしの精神が腐れば腐るほど、より上質に醗酵するのよ!」


「そんな嫌なチート能力暴露しないでください!」


 勇者は悲痛な声を上げた

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