第6話 女神って実は暇なんですか?
「勇者よ、起きなさい。目を開けるのです」
勇者は目を覚ました場所は初めて女神と会った場所だった。当然の様に女神もそこにいる
「うう…はっ!女神さま!?まさか死んでしまったんですか僕。コンテニューできます?」
「落ち着きなさい勇者よ」
「そうか!僕まだセーブしてなかった。と言うかセーブポイントにすらたどり着けてない!」
呆れた女神は笑顔で髪飾り(?)のビーズの様な部分を指で引き千切りながら言い放つ
「だから落ち着いてください。あんまりしつこいとヒマ潰しに魂を分割してアリ転生させた後、私のハイヒールで梱包に使うプチプチ様に潰され続ける輪廻転生を永遠に繰り返させますよ」
「ブチッブチィ」
勇者は冷静になった
「あ、すみません」
女神さまのあのローブの下ってハイヒールだったんだ。なんかイメージ狂うなと勇者が考えていた。女神はいつもの表情に戻り質問に答える
「安心してください勇者よ、あなたは魔物との戦闘により気絶しただけです。ちなみに死んだら終わりです」
「そうか・・・よかった。で、どんな御用なんです女神さま?」
「良いタイミングで意識を失なったのであなたの夢の中に立ち寄らさせていただきました。レベルアップおめでとうございます」
「僕レベルアップしたんですね。ステータスはどうやって見るんですか、コンソールはどこに?」
「そんなものはありません。必要な情報はレベルアップした段階で直接精神に植えつけます。試しに瞑想でもしてみては?以前とどう違うかなんとなく分かるかと思います」
勇者は集中し自分のステータスを確認しようと試みる
「確かに・・・変わってるような気がします。知力以外は・・・」
「能力の向上には個人差がありますからね。その様子だとスキルは習得できなかったようですが、覚えたら体感で分かりますんで気長に頑張ってください」
「なるほど」
「勇者よ、異世界に行った感想は?何か問題などありませんか」
「今のところ特に問題ないかと・・・あ、そういえば」
「何でしょう」
「僕、むこうで通貨を勝手にゴールドと呼んだりHPとか言ってたんですけど。おかしな反応されなかったんですが」
「それは私が与えた翻訳スキルのせいですね。言語に困らないと言ったでしょう」
女神は”それがなに?”とでも言いたそうな表情だった。勇者は困った様な感じでいる
「感謝しますが便利過ぎるのもどうかと、異世界物でそれやっちゃうと僕の現代人としてのアイデンティティが・・・」
勇者が困惑していると、女神が呆れたようにこう言った
「全裸で召喚されておいて何をいまさら。ケータイ使って異世界人をドッキリさせたり、言葉遊びしたりするタイプでもないでしょうに」
「いえ、もう女神さまがそれでいいのなら僕は別に構いませんが、何かが間違ってる様な」
女神はしばらく思考した後、何かニヤつきながら呟いた
「ふむ、まあ確かに少々遊びがあってもいいかもしれませんねぇ・・・」
「何か言いましたか女神さま?」
女神はこちらに如何わしい笑みを浮かべながら
「いえいえ、貴方の主人公として都合のいい耳には感服いたしますよ。さすが勇者。フフフ」
”・・・ッ・・・・、ッッ・・・”
上手く聞き取れないが誰かの声がするような気がする
「どうやら目覚める時が来たようですね。勇者よ、引き続き頑張ってくださいね」
「ちょっとめがっ・・・」
勇者は光の中へ溶けて行った・・・・
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