チャプター3 何だ、ナマケモノども

 コッパーが商売をしていた、その頃。町の外のゲートの前で


「ゴミ漁りのカラス共、よく聞け」


 骨や皮で着飾ったトラックの荷台に乗った太った男が果物を食べながら拡声器でガードに叫んでいる


「何だ、ナマケモノども」


「我らの縄張りから食料を奪うハイエナ共を今すぐ引き渡せ」


「新しく来たスカベンジャー達の事か?わたす気はねぇよ」


 太った男が表情を険しくしさらに叫ぶ


「貴様達とは長い付き合いだ、が、もう我慢出来ん。その物達との取引を直ぐにやめよ!」


「誰が止めるか!テメェラがよこすボロボロの略奪品と怪しげな食いモンじゃやっていけねえよ。見返りに大量の金属を要求しやがって。GSSが来なきゃこっちが干上がってちまってたぜ」


 ガードの言葉に更に声を荒げる


「グルル・・・貴様らを飢えから救ってやったのを忘れたか!?」


「町の人間を50人近く殺られてな!」


「彼らの魂は死んではいない。勇敢な戦士達の魂と共に私の玉座の中で生き続けている。貴様の左足もな」


「ちっ」


「ギィ」


「もちろん玉座に迎え入れなかった者も居る。だが弱者が死して安息をえるのは当然の権利だ。強者は力を示し闘い足掻き続けねばならぬ。死してなお!人々を導く為に」


「お前らの信条なんぞどうでもいい!クロウタウンは今後一切スロース共とは取引しない」


「後悔することになるぞ・・・」


 土煙を上げながら去っていくスロースと名乗る盗賊団をレンズ越しに眺めていたスナイパーの緊張が解けガードに話しかける


「ふぅ・・・GSSの連中に知らせてやるかい隊長」


「いや、アイツらだって危険を承知で取引してるんだ。特別荒立てるような事でもないだろう」


 スナイパーは顎に手を当てしばらく考えた後、ガードの隊長に提案したが却下された


「さっき入れた野良は?感は良さそうだし使ってみようぜ」


「外で悪い噂でも流されちゃ敵わん。放っておけ」


「了解。・・・・的は少ない方が良いんだけどなー」

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