自由があればそれでいい

病気になって、人生の宝物を発見できたという人たちがいる。

友人や家族、恋人といった存在だ。

僕には、そうした宝物がない。

病気ですべてを失った。

これは文字通りの意味であって、

「すべてを失ってようやく発見できた宝物」などという洒落たものは、

僕にはなかった。


だが、それでいい。

何もない人生、大いに結構。

何も持っていないということは、一番自由であるということなのだ。

僕には自由があればそれでいい。

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