自由
俺の身体は知らないうちに俺のものではなくなっていた。
突如として現れた病気が俺の身体を乗っ取っていたのだ。
忌々しい病気。
こいつは俺の身体を弱らせて他人と近づけないようにしている。
おかげで俺は孤独暮らしだ。
友人も恋人もいやしない。
仕事に出れば役立たずと蔑まれる。
俺はすっかり嫌われ者だ。
「どうして俺に取り憑くのだ。俺の何がお前を引き寄せたのだ」
俺は病気に尋ねるが、病気のやつは答えやしない。
今日も俺はひとりで叫ぶ。
決して誰にも届かない苦しみの声を。
それだけが俺に許された自由なのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます