自由

俺の身体は知らないうちに俺のものではなくなっていた。

突如として現れた病気が俺の身体を乗っ取っていたのだ。

忌々しい病気。

こいつは俺の身体を弱らせて他人と近づけないようにしている。

おかげで俺は孤独暮らしだ。

友人も恋人もいやしない。

仕事に出れば役立たずと蔑まれる。

俺はすっかり嫌われ者だ。

「どうして俺に取り憑くのだ。俺の何がお前を引き寄せたのだ」

俺は病気に尋ねるが、病気のやつは答えやしない。

今日も俺はひとりで叫ぶ。

決して誰にも届かない苦しみの声を。

それだけが俺に許された自由なのだ。

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