第14話 他人の勤務態度を嗤うな
仕事上、不特定多数さまざまな層の人間と毎日接している。
本当に多種多様な種類の人間たちがいて、毎日私を飽きさせない。良い意味でも悪い意味でも日々驚かされている。これもいつか何かの役に立つだろうと、面白い人間にあった時はなるべく記憶に留めておくようにしている。
そんな研究熱心な私だが、やはり人の子なので好き嫌いはある。それもかなりはっきりと顔に出てしまっている。
今後、仕事に支障がでる事間違いなしなので今のうちにどういうタイプの人間が嫌いなのか客観的に知っておく必要があると考えた。
もしこれを読んでいるアナタが偶然とは言え私の嫌いなタイプに当てはまっていたとしたら。そっとブラウザを閉じ、大きく深呼吸をして欲しい。そして今日読んだこのエッセイの事はキレイさっぱり忘れてもらいたい。何故なら、こんなものは私の主観以外の何者でもない。私以外の人からしたら暇潰しの他には何の役にも立たない。たまにカップ麺の蓋の裏に書いてある妙な豆知識と同じくらいどうでもいい内容なのだ。
嫌いなタイプその1。
「単位を言わない人間」
前にも書いたが私の仕事は飲食関係である。提供している商品には実に様々な単位が存在している。
「本」「個」「杯」などなど。
しかし悲しい事に最近では単位を省力する人が本当に多い。せっかく固有の単位が存在しているのに、使わないというのはどうかと思う。面倒臭さいから、と言うかもしれないがそんなことを言っていたらいつか人間は言葉を失うかもしれない。割とマジで。
最近多いのは統一派の人たちだ。
食べ物、飲み物なんでも「◯つください」で済ませる部類の人たち。これはまだマシだと思う。というか、全然良い。嫌いじゃない。ダメなのは数字だけで言う人間だ。
「コレ、イチ。コレ、二」
彼らは決して外国人ではない。みな日本人だ。機械的過ぎやしないだろうか。中には個数すら言わない連中もいる。初めて遭遇した時はマイケルジャクソンかと思った。
「これ」
と商品を指差す。
「これ」がなんだよ。と言いたい。ご年配の方にたまにいるのでそう言う場合は「ああ、喋るの面倒臭いんだろうな」と諦めている。しかし最近は中学生や高校生も言っているのでそういう場合は露骨に顔に出てしまっている。
「これが何だ?」という顔をしてしまっている。
嫌いなタイプその2。
「周りが見えていない人間」
この手のタイプは普通に遭遇しても嫌なのだが、仕事で接すると回避できないので一層腹が立ってくる。
最近多いのは道のど真ん中で写真撮影に興じて通行止めをしている人間だ。
これにはほとほと参ってしまう。しかもこれらは老若男女問わず集団行動してる人間に多い。人間も、個々ではちゃんと解っていても集団になると一変してお猿さんに戻ってしまうのだ。動物園の猿たちに自撮り棒を持たせたら、途端に撮影会を始めるかもしれない。
後ろに列が出来ているのに、長々と悩んでいるフリをしてイチャつくカップルもコレに当て嵌まる。
「え〜決まらない〜まよう〜」
「あくしろよ〜時間かかり過ぎぃ」
若い頃はモテない自分がリア充共に嫉妬しているだけかと思って必死に自制心を働かせていたが、結婚して新婚ホヤホヤというリア充の最高峰に登り詰めた今でも普通にムカつくので、恐らくバカップルが本当に嫌いなのだろう。
そんな時の私といえば
「お前たち。20年前のニューヨークでそんな事してたら即射殺されるぞ?」
という顔をしてしまっている。
もちろん、ニューヨークに行った事はない。
嫌いなタイプその3。
「想像力のない人間」
これは本当に厄介だ。何しろ想像力が無いとどうにもならないケースが多い。
例えば、である。
「え?この塩味ってどんな味ですか?」
と聞いてくる若い男性。
理解に苦しむ。何の為に塩味と記載されているのか。ちゃんと想像して欲しい。
また例えば、である。
串に刺さった食べ物を見て
「え?どうやって持つんですか?」
と聞く若い女性。
手だよ。持つところついてんだろ。焼き鳥とかアメリカドッグとか、お前どうやって持つか聞くのかよ!!?と言いたくなる。コンビニではどうしているのか気になる。
また例えば、である。
「これ落としたんですけど変えてもらえませんか?」
店内でならまだしも、テイクアウトしたものを自分で落としたのでとり変えてくれという。あわよくば追加料金は払わないで。
嘘では無い本当にこういう人間がいる。
昔の人はよく言ったものである。
「お客様は、神様です」と。
確かに。まったくその通りである。
日本は古来よりやおよろずの神々がおわす国。いかに神と言えど、時に傍若無人な振る舞いをしたり、理不尽な生贄を要求をしたり、災害を起こしたり、人前でイチャついたり実に様々である。
そういう意味では皮肉でもなんでもなく、心からその通りだと思わざるを得ない。
「お客様は神様です」
確かに。だが勤務態度は改めない。
かしこ
追伸
新しいエッセイを始めます。短期間連載ですが
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