ジェネシードのお姫様はマイペース!編

 あらあら、まあまあ……皆様、ごきげんよう。お疲れ様ですわ。ええと、これは……オルト? わたくし、どうしてここに来てしまったんでしょうか。


「は、キィ様……どうやらここは、リジャスト・グリッターズの戦いをみちびくプレイヤーの方々への、中断メッセージのようでございます」


 まあ、そうですの! それは、とても嬉しいですわ……改めてご挨拶申し上げますわ。わたくしはジェネシードをべるキィと申します。こちらは近衛騎士このえきしのキィボーダーズ、オルトですの。


「初めてではないな、諸君。次に会う時……欧州ユーロ編のクライマックスでは、手加減はしない。その首、洗って待っていることだ」


 という訳ですのね? ふふ、なんだか楽しいですわ。そうですの、皆様がリジャスト・グリッターズを……わたくし、あの者達には感心してるのですわ。二つに一つしか選べない、それ以外の選択肢などない宇宙の摂理せつり……因果と真理がつかさどるこの世界で、かの者達は第三の選択を探してます。それが、とても愛おしい。

 同時に、とてもあわれで滑稽こっけいに見えますの。

 でも、わたくしは哀れみこそすれ、その努力をあざわらいはしませんわ。

 ただ、あの二つの地球は、両方共わたくしの祖先が作り給うたもの……ゆえに正当なる後継者はわたくし達ジェネシードの民ということになります。そうですわね? オルト。


御意ぎょいおおせの通りにございます、キィ様」


 と、いう訳ですの……さあ、皆様。選んでくださいな。二つの地球……めぐ輪廻reincarnationの小さき星、惑星"アール"か。それとも、まつろわぬ支配JURISDICTIONの大いなる星、惑星"ジェイ"か。さ、選んでくださいな……常に選択は、二つに一つ。その、どちらか。

 ふふふ、懸命なる選択を期待してますわ。

 そうでしょう? オルト。


「はい。二つの地球に住まう人類、そしてリジャスト・グリッターズの戦士達……次回、欧州編では今までのようにはいかん。いかにそちらがトライアールの三機を持っていようとも……キィ様の命令があらば、我がダルティリアのさびと散ることになるのだ」


 では、ごきんげんよう。どちらか片方、片方だけでいいのです……地球をわたくし達に返してくださる時は、気軽にお声をかけてくださいね。あら、ええと……まあ、どうしましょう。オルト、携帯電話は苦手ですわ。いつでも連絡をもらえるよう、メアドというものを教えてさしあげようと思いましたのに。ええと、このボタンですわね?


「キィ様、それはカメラの起動ボタンです」


 あら! 本当ですわ、オルトが見えます。えい、パシャリ。ふふ、楽しいですわね。さあ、貴方あなたも……パシャリ。こうして一緒に、いつでも楽しく過ごせたら、生きて行けたらいいのに……でも、地球は返してもらわないと困りますわ。次回、また次回……戦場で会う度に、気持ちとは裏腹に、我が騎士達がお相手することになるでしょう。ですから、それまで負けないでくださいね? これ、キィからお願いですの。ふふふ……!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る