男と女のハーレム事情編

 ああああ、もぉっ! 我慢できないっ! ちょっと、アルズベック! いいからそこ、座りなさいよ! あんたに話、あるんだからっ!


「どうした、神塚美央カミヅカミオ。はしたなく声を荒げては、美しい顔が台無しだな」


 そ、そう? それほどでも……ある? けど? まあ、それより……ちょっとあんた、アレはなに? 陽与ヒヨちゃんとミヤコちゃんに……


「何故、怒る? 私には当然の権利、支配者たるものは血を残すことにこそ心を砕くものだ。それに、美しい者が嫌いな人間など存在せぬ」


 そうよ、だから……

 ああ、羨ましい……私の美央ちゃんハーレム計画ぷろじぇくと暗黒大陸ウキウキいせかい編がオジャンよ!

 ええ、そうよ、そうなの……ただただ羨ましい! ねたましい!


「ふむ、ではこうしよう。美央、お前は神牙シンガの乗り手として、我がレオス帝国にくだれ。騎士の叙勲じょくんと共に、私の側室そくしつになるのだ」


 誰がっ! お断りよ!


「そうか。お前には側室を束ねて後宮こうきゅうを支配する、そういう女になる素質があると見たのだがな。美しい女たちを集めた後宮を作る予定だ、私は。無論、リジャスト・グリッターズのアカリやシルバー、千雪チユキ美李奈ミイナと、名だたる美女を集めるつもりだが?」


 …………………………………だ、誰が……お、お断り? よ?


「妙な間があったな、美央。勿論、お前も側室の一人として私が直々に寵愛をほどこそう。私は王のうつわ、愛でる女たちにはあまねく幸福を確約する」


 ……はっ! い、いけない……一瞬、アルズベックの後宮でスパ◇ボヒロインたちに囲まれての酒池肉林しゅちにくりんが脳裏に……ああ、ダメ……ダメ! 危ない危ない……とりあえず、あんたは女の敵ね! そうに違いないわ。


「後宮で不自由はさせぬ。十分な食事と睡眠、そして教養にあらゆる娯楽」


 うっさい、馬鹿! あんたなんかね、イケメンで器が大きくて、一国の皇子な上にただのラスボスクラスじゃない! 強くて金持ちで道理がわかって、才能ある人に優しくて、不正や非道にはいい顔をしないだけの男なのよ! ……言っててむなしくなってきたわ。はぁ……とりあえず、画面の前のみんなっ! このアルズベックをブッ飛ばすまでスパ◇ボ「」カクヨム、プレイするのよ。絶対だからねっ!

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