スーパー◇ボット大戦「」- 地球選択の日 -

ながやん

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Act.01「望みを捨てぬ者」

第0話「終焉と創生を繋ぐ言の葉」

 このメッセージが誰かの手に届く時、すでに私はこの世にいないだろう。それは、あらゆる可能性の世界、異なる位相の世界にも存在し得ないということだ。

 残念ながら、人類は選び取らなければならない。

 この地球の、明日を……未来を。そして、地球そのものを。


 これを読む者が「」ではなく「」の人間であっても、私は決して驚かない。ただ、厳しくも辛い戦いへと巻き込んでしまうことを、許して欲しい。

 贖罪しょくざいにもならないが、「こちら」の地球について書き留めておく。

 恐らく「あちら」の地球と、そう大差がないのではと憂慮しているのだ。


 西暦2065年前後、人類は大きな転機を迎えていた。

 絶対元素Gxジンキの発見……それに伴う、あらゆる分野の爆発的な科学技術の発達。月面から木星圏、そして外宇宙へと人類は第二の大航海時代を迎えたと言っても過言ではない。

 ――だが、科学の発展を人は皆、闘争へと注ぎたがるものだ。

 それは人類のごう、そしてさが……「こちら」は常にそうだった。

 パンツァー・モータロイド、レヴァンテイン、ダイバーシティ・ウォーカー、アーマード・モービル、アーマー……鋼の巨神たちが繰り広げる、鉄火の戦場は神々の黄昏ラグナロクか、はたまた最終戦争アポカリプスか。

 そしてまた、私もその愚行に加担した者の一人に過ぎん。


 人は闘いに文化を求めて、武器で互いの血を浴び合った。

 やがて戦いが文明を飲み込み、兵器が互いを知らぬ間に殺してゆく。

 因果は調律され、問じた円環の輪が捻れて歪む時……人類は天敵を迎えて尚、人をこそ人の敵と定めて争ったのだ。パラレイドと呼ばれる未知の脅威、原因不明の暴走を起こすアーマー、終わらない国家間の対立、人類同盟とアラリア共和国の幾度もの戦役……そして、頻発するテロと、木星圏でのコロニー弾圧。


 ――それらをも超越する、異なる世界……「あちら」からの来訪者たち。


 私は今、望みを託してこのメッセージと共に、最後のプログラムを実行した。プロジェクト・トライR……三枚の設計図を、ランダムにばらまいたのだ。もし、もしも……この試みトライアルが結実するなら、その結果が、私の望みが希望か絶望か……その先を、地球の選択を見届けて欲しい。


         ネメシア・J・クリーク――2097年11月11日、海辺の別荘にて

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