転生の勇者 ノエル
御狐神晴之助
第1話 気付けば異世界
俺は、アニメが好きなオタクだ。この世界ではオタクは忌み嫌われている。だが、考えてみろ。ディズニーに毎回行っている奴はオタクじゃないのか?アニメを見ているからと言ってオタクに判別されるのはおかしいと思う。なんて俺はいつも思ってたりする。
あ、そうそう。俺は東雲和樹。この物語の主人公だったりする。そして、俺には事故で亡くなった妹もいる。
今日は日曜日。俺はゆっくり体を起こした。もう、夕方の7時だった。
「んしょ」
重たい体を起こし、1階に下りてご飯を食べてまたうえに行った。
「昨日はゲームやり過ぎたな」
俺は、アニメも好きだけどゲームも好きだ。完全にオタクだな。まあ、別にオタクだからと言って恥ずかしがったりはしない。だって、これは好きで選んだ道だし。両親は自分がしたいなら何でもしていいと言ってたし。やることはやってるから、他の人には何も言われない。
俺はパソコンを起動した。
「さてと、今日はどんなイベントがあるかな?」
パソコンを見ながら、”リーンボネーション”と書いてあった。
「転生?」
俺は意味が分からなかった。そのボタンをクリックしようとした時睡魔がいきなりやって来て俺はパソコンの電源を切ってベットに横になった。そして、次の朝に目が覚めた。目覚ましを見ると6時だった。
「俺、どんだけ寝てたんだよ」
そう言って、制服に着替えた。そして、寝癖を直し、歯磨きをして、朝食を食べた。これが俺の生活リズムだ。俺の通っている学校は電車で2時間かかる。だが、俺は電車が嫌いなのでチャリで登校している。そのため、運動をしなくても3時間はチャリて足が鍛えられる。もちろん、ハイペースだ。ゆっくり行ってたら遅刻してしまう。
「行ってきまーす!」
「行ってらっしゃい。」
俺は、勢いよく扉を開けダッシュでチャリを漕いだ。すると、トラックが猛スピードで突進して来た。
「危ない!」
周りの人が言った時にはトラックに引かれていた。
「ーがああああ・・・あ?あれ、痛くない?だって、さっき俺トラックに引かれたよね?なのに、なんで?」
「姫様!」
なんで?え、しかもここどこ?
「姫様、ここにいらしたんですか」
後ろから声が聞こえた。でも、俺じゃないと思って無視した。
「さあ、行きますよ」
俺と目があったメイドは黒髪に赤色の瞳、眼鏡をかけている20代前半の女性だった。メイドはグイッと俺の腕を引っ張って引きずって行った。
俺はなんでこの状況なのか。今やっと理解できた。ここは異世界なのだ。つまり、俺は異世界の住人に転生した。そして、転生したのはこの国のお姫様。と、いうことは魔法とか剣とかあるのか?俺は胸を躍らした。だって滅多にないぜ?こんな美味しい話。
「姫様、いくらお見合いが嫌だからって逃げ出してはいけません!このエルビアもお叱りを受けるんですよ!」
俺を掴んだメイドは言った。
お見合い?なんぞや、それは。これから楽しい異世界生活が始まるというのにいきなり楽しくないじゃん!!
「わ、分かりました。逃げませんから、話してください。痛いです」
メイドは少しビックリしていた。そんなことより、俺の声ってこんなに可愛いんだ。髪も銀髪だし身なりもいい感じ。胸もあるな。Bか?いや、Cか?なんて事を考えているうちに、客間らしきところについた。
俺は少し重たい扉を開けた。するとそこにはな、な、なんと!!これまたツルピカなオッサンが座っていた。俺は「まじかよ」と思った。頭はハゲてるし、顔は不細工てキモイ。こんな野郎と結婚なんて俺じゃなくても嫌だろうな。
「お、お久しぶりですね。ボルデット・フィリアンヌ姫」
「えっと・・・」
「オルデラ伯爵ですよ」
メイドは俺の耳元で囁いた。俺は「ありがとう」と言って丁寧にお嬢様流の挨拶した。
「お久しぶです。オルデラ伯爵」
客間にいるみんながびっくりした顔していた。
おいおい、俺なにか変なこと言ったか?俺はとりあえず、このツルピカ(笑)の話を聞いていた。まあ、そんなこんなで見合いが始まった。
「姫はお美しくなりましたね」
「いいえ、そんな事はございませんわ」
そんな他愛ない話をしていると、一人のメイドが扉を開けて入ってきた。そして、そのメイドは飲み物を出した。
「ありがとう」
俺は素直にお礼を言った。その後にそのメイドは新入りなのか転んでしまったのだ。予想通り、オルデラ伯爵の衣服にかかってしまっていたのだ。オルデラ伯爵はそれはもうご立腹だった。俺はそれが見るに耐えなかったのでそのメイドを庇い、それかつ縁談となくす方法を考えた。すると、すぐに思い浮かんだ。
俺はメイドのところへ行った。
「大丈夫?」
「す、すいません!」
そのメイドは泣きながら謝っていた。
「ボルデット姫?どうなされました?」
ツルピカ(笑)は驚いた顔をしていた。
「すみませんが、この縁談はなかったことにさせて頂きます」
「なぜですか!?」
「私は、あなたのような方とは一緒に いたくございません。ただそれだけの理由です」
オルデラ伯爵は床に膝をついて喋らなかった。だが、その10分後静かに部屋を出て行った。
そして、約20分が過ぎた頃。
「ボルデット姫、国王陛下がお呼びです」
「はい」
その後、俺は部屋を後にした。
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