私と彼と子供たちと

矢崎 悠奈

第1話 驚愕の事実

 ある朝、私は驚愕の事実を知った。


どうやら、人間のクローンというものがもうすでに、産まれているらしい。


らしいというか、産まれている。


ネットでの情報なので到底信じられるものではない。


それを知ったのが、2016年8月14日。


この日は私の中で人生のターニングポイントとなる、とても重要な一日である事は間違いない。



漫画の中だけの話だと思っていたし、まだまだ先の話だと本気で思っていたから、とても、とても、

驚いている。


私は昔から子供ができにくい体だった。

できない訳ではないが、できにくい体だった。


だから、子供に、とてもあこがれがあり、でも出来ないしな、と、とても、ストレスを感じていた。


だがそれを知った今。


長年のストレスから解放されとても、いい気分である。



して、考える。


私は今、誰のクローンを、産みたいか。


一人いるちゃ、いるけど、予感がする。


彼が私とのクローンを、もうすでに、産んでいるのではないかと。

だったら、私はいままでどおり、産まないままでいいのではないかと。


莫大なお金がかかるし、技術もいるだろう。


誰でもできるという物でもないだろう。


だったら、私はいいやと。


その人の事が嫌いだとか残したくないとか言うのわけではない。


正直に言うと、まだその事実を消化しきれていない。


あまりにも、近未来的すぎて、まだ、信じられないのである。

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