第25話 ~担当決め~

「朱火と桃音は何処に住んでいるの?」

 ビリニュス達が話している途中、先輩が聞いてきた。

「私は心火市に住んでいます」

「アタシは情調じょうちょう市です。でも場所的には心火市に近いです」

「そう。なら、丁度いいわ」

「「??」」

「この学校の生徒は心火市と情調市から多く来ているわ。生徒にとり憑いた蟲を浄化していくには丁度いいって事。私も情調市で学校から近いから」

 なるほど。地域で活動場所を決めるのか。

 情調市は心火市の二倍くらいの面積があるので一人で活動するのは大変だ。

「勿論、生徒だけじゃないわ。とり憑かれている人が一人でもいたら浄化しなければいけないわ。見て見ぬ振りをしたら私達も椿姫派と同じよ」

「わかりました! 一人でも見つけたら浄化します! 心火市近くの情調市は任せてください!」

「了解」

 桃音ちゃんが張り切っている。今からでも見回りをしてきそうな勢いだ。

「悪いわね朱火。心火市が貴女だけで」

「いいですよ。心火だけならビリニュスが蟲の気配を感じることができますから」

「なら心配無いわね」

「そっちも決まったみたいだな」

 ザグレブが話し掛けてきた。どうやらお互いに話し合いが終わったみたいだ。

「ええ。これで蟲達を効率良く浄化できるわ」

「よし。蟲一匹逃がさないよう今日はこれで解散だ」

 ザグレブの言葉に全員が賛成し、今日は解散となった。

 ・・・・・・話し方からしてリーダーは先輩とザグレブになったみたいだ。

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