第6話 ~説明~
「えぇっと、僕達は決して怪しい人ではありません」
「そっちのメイドは覗きをしていたみたいだが」
「それは……」
「いいんだビリニュス。私が言う」
ビリニュスを制し、私は見知らぬ執事の前へ出た。
男にしてはちょっと長めの山吹色の髪が目立つ。顔はかなり整っている方だが髪の影響もあってか何だか悪そうな雰囲気が漂う。名づけるなら『イケメンちょい悪執事』だ。
身長も私とビリニュスを余裕で上回っている。高校生でいうなら三年生だ。
執事服はビリニュスとは少し違っていた。後ろの裾が二つに分かれていて笹の葉のような形になっている。
「私達はある執事を探している。この学校にいるかもしれないと思ってあちこち探していたんだ」
「執事だと? 俺の事か?」
「いや、違う」
「どんな奴だ?」
う~ん。思い出してみるか。
「何だかこう……エリートっぽくて、身長も高くて、戦ったら強そうな執事だ」
確かベルンはそんな感じだった気がする。
「……そいつを探してどうするのだ?」
「そいつはある人物の為に復讐するんだ。その為には手段を選ばずに行動するはずだ! だから今こうして見回りをしてここまで辿りついて覗きをしていたんだ」
あれ? 何か勝手に設定加えてしまったぞ。
まぁいいや。ここから逃れる為だ。
「……お前達」
ん? どうしたんだこの執事?
何だか震えてないか?
「どこで知った!?」
「へ!?」
執事は怒っている。
何でだ? 何かマズイ事言った?
「あ、朱火さん。何だか嫌な予感が……」
ガラガラガラ!
ちょい悪執事が勢いよく扉を開けた。
「巫女十! お前の復讐を嗅ぎ付けてきた奴を見つけたぞ!」
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