第34話 ~蟲のボス~
「「!!」」
気付いたら椿姫の後ろには黒い巨大な物体がいた。
さっきの渦とは比べ物にならないくらい禍々しい。
「椿姫様、どういう事ですか? 椿姫様がどうして蟲を?」
「……」
ビリニュスが聞いても椿姫は黙ったままだった。
「まさか今までの蟲は全部お前が?」
「……そうだ」
私の質問には答えた。
「そんな! どうして椿姫様が!?」
「ビリニュス。お前は勘違いをしていただけだ」
「勘違い、ですか?」
「ああ。蟲は私の力でつくった物だ」
「そ、それでは浄化をしてはいけないのでは?」
「そうだ」
「しかし指揮官長は『浄化に励め』と!」
「……どうしてかわかるか?」
「……わかりません」
正直私にもわからない。
どうしてそんな事させたんだ?
「お前が私の人間に対する態度に歯向かったのはいつの日だったか覚えているか?」
「それは……半年くらい前なので浄化を始める前です」
「お前だけに浄化の任務を任せたのはな……」
「今までお前が浄化してきた蟲達の集合体に食われる為だ!」
「そ、そんな……」
ビリニュスは絶句していた。
「私に逆らった執事とメイドはその日から蟲の浄化に仕事を切り替えるのだ。そして半年経ったら浄化してきた蟲達の集合体に食われる、という刑を私自ら行うのだ」
「それって……死刑、ですか?」
「そうだ」
自分に逆らった奴を死刑にさせる?
なんて自分勝手な奴だ!
「私に逆らったビリニュス! 四宝朱火! 我が蟲の餌となりくたばるがいい!」
蟲は私とビリニュスを勢いよく吸い込み始めた!
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