第27話 で…おにぎりは?

 あれだけ、焼きおにぎりと、こだわっていたのに?

 差し出したおにぎりは…ワカメごはんだった…食べかけの…。

 それをギュッギュッと握り直して僕に渡す。

「焼きおにぎりは?」

「送ってくれたドライバーにあげた」


 そういうとこあるよね…。


 いいんだけど…。


「これ食べていいの?」

 コクリと頷く彼女。

 1個食べると、パンを差し出す。

 少し残して、彼女に差し出すと、ダイエット中だからと全部食べろと言う。

 そして、再びおにぎり。


「それ、一口残して」

 コレは全部食べたらダメなんだな…。

 少し残して渡そうとすると…ここまで食べてと細かい指示が入る。

 再び渡すと、おにぎりを小さく握って、鞄に戻す。

「朝ごはん」

 そうなんだな…。


 やたらと冷えたバナナ2本、みたらし団子1本、小さなコロッケを食べさせられて、別れぎわに「ちんすこう」を渡された。

 小さい、ちんすこう1個…。

「おみやげで貰った…でも好きじゃないから…」

「うん…まぁ食べるよ…」

「食べたらメールして」

「ん?…うん…」


 なんで、そんなに食べ物だけは確認したがるのだろう…。

 それにしても…空気読めよってくらい言ってた、焼きおにぎりは…それでいいんだね…。


 相変わらず…掴み切れないよ…。

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