第23話 そして…から揚げ
「とりあえず…コレ食べて」
車内が暗くてよく解らないが…おにぎりだな…。
「ん…これから定食屋行くんだよね…」
「うん、場所調べてくれた?」
「調べたけど…なんでメシ食いに行く前に、おにぎり食べるの?」
「ん……?」
ずっと差し出してるところをみると…食わなければダメなんだろうな…。
「から揚げ定食ってありますか?」
メニューには無いが…作らせる気だな…。
「あと…厚揚げ納豆と…出し巻卵と…りんごのシャーベット」
「あのさ…納豆持ってきたんじゃなかったっけ?」
彼女は納豆を1パック持ち歩く。
「うん…ほら…ここで食べるから、納豆入ってるもの頼まないと…バレちゃう」
うん…その気遣いが出来るようになったはいいが…止めようとは思わないんだな。
から揚げ定食が運ばれた。
(御飯が少ない…わりに高くない?定食類、お値段高めだよね…)
そして…出し巻卵…アレ…大皿に8切れ…量すごいよ…。
「なんか…卵焼き多くない?」
「うん……」
おもむろにメニューで確認すると、850円…うん…納得…。
「初めてだよ…単品メニューで、この量の卵焼き」
「うん…美味しいよ」
「そうだね…美味しいね…それが救いだね」
(頼む…いっぱい食えよ…僕は限界だ…)
「もう半分だけ食べようかな」
(えっ?もう終了?)
「俺…腹痛いって…言ったよね…」
「アタシも」
「困ったな~納豆来ないね~食べれないじゃん…」
「もう…腹一杯だから…忘れててくれていい…」
「すいませ~ん…厚揚げ納豆まだですか?」
「今、作っております…もう少々お待ちください」
「先食べちゃおう…」
(結局…待ってられないんだな…)
不安だった…卵焼きの量レベルで出てきてくれるなよ…。
「お待たせしました」
(良かった…普通だ…頑張れ俺!納豆に負けないで…)
「あのさ~車戻ったら、投入も飲んでね」
なんで…大豆ばっかり薦めるんだろう。
そして…なんでそんなに、から揚げばっか食うんだろう?
「あのさ今度、焼き鳥食べに行こう」
(から揚げ食った後に…言うことが焼き鳥か…鶏肉が好きなんだろうか?)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます