幸せ行きのバスに乗ってる

どうかお幸せにねとか言われちゃって

幸せが何かわかんなくなっちゃった

何年か前に見た映画みたいだよ

嫁がとっても怖い人で

旦那がとってもダメな奴で

ホントの気持ちなんて

誰も知りやしないのにね


幸せ行きのバス停は

海の向こうへの夢でいっぱいで

わたしは目頭に涙いっぱいで

なんで泣いてんのかな?

これも嬉し涙に見えるのかな?


とても幸せそうですねって言われちゃって

そんな事ないですよーとか言いながら

嬉しそうな顔するのに疲れちゃったよ

はやくひとりになって絶望行きのバス停で眠りにつきたい

隣の席のお母さんが娘にお菓子を持たせてどうぞってくれるの、どうぞって

気持ち悪いとか思っちゃいけないんだよね

知ってる知ってる


青く澄んだ空の下 太陽が燦々と眩しい

みんなそれを望んでるって誰が決めたのかな?


幸せ行きのバスは斜め前の席のおじさんが不安そうに乗っててくれてとてもよかった

不幸になって欲しいワケじゃないけど

仲間を見つけてちょっと嬉しい

幸福なんてすぐ近くに転がっているってどこかの監督が言ってたっけ

幸福なんて小さなことだよね

誰の価値観の幸せを押し付けられても迷惑なのに


優しい人は必ず言うよね、ここに帰っておいで

いつでも待ってるよって

待たれなくてもいいのにね

待たれなくてもちゃんと生きてゆきますよ

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