アドマイヤーコスプレイヤー!

「オー、ヤマトナデシコにはオイランスタイルです! オッパイ!」

「キャビンアテンダント? これもグッド! オッパイ!」

「イェー、ガールズニンジャ、クノイチ! オッパイ!」


 ワタシはさようなことシャウトしつづけました。なぜならほとんどの衣装はタニマアラワだったです。

 気がつけばずいぶん時間経ったのでLPフィニッシュです。今回はほとんど、コスプレをトライするだけになってしまいました。早くヒメカをパワーアップさせるため、ストーリーを早く進めることも必要ですから、そのあたりバランスも大事です。


「ヒメカも言いましたが、ミステリアスなシステムですね」

「どうも、単なるお遊び要素みたいですね……。正しいコスプレを選んだらクリアできる、とかではなくて。まあ、そこがフリーゲームらしくていいというのか」

「とにかくすぐ動画アップします。これは期待してよいに違いありません」

「あ、あの、ごめんなさい。私の声が入っているのは邪魔でしょう?」

「ネヴァーマインド。ヒメカはボイスもビューティフルですし、かえってユーザー嬉しいかもしれません」


 と、ここでワタシはナイス考え浮かびます。


「ボイスアクトレス、実はヒメカがやってます。そうユーザーに教えるはどうですか? 顔も出して。何しろゲームとそっくりです」

「えええ?」

「さようにビューティフルな人がやってるとは誰も思いませんでしょう。これは一気にフェイマスなります! ヒメカはスーパーパワーアップです!」

「そ、そうでしょうか……」


 と言いつつも、ヒメカはマンザラないフィーリングです。彼女にとってパワーアップが何よりですから。

 そしてワタシ、もっとナイスな、ハウエバー実現はできそうにない考えが浮かびました。


「ゲームと同じのコスプレしたヒメカを映したら、もっとエキサイトできそうです。カンジンのコスプレ衣装ないのでできないですが」

「コスプレ……顔出ししてコスプレするんですか?」


 するとヒメカ、しばらくサイレンス。そして言いました。


「実は……コスプレの神というのもいます。その神に頼めば、どんなコスプレ衣装もすぐに。ああ、でも……」

「コールプリーズ!」


 アバウト三十分、どっぷりとサイドにワイドな、オバサンライクの女性がやってきました。


「おほほほほ! ごめんあそばせ」

「アナタがコスプレゴッドですか?」

「あたくしは遊演衣装神ゆうえんいしょうのかみ遊演ゆうえんころもと普段は名乗っておりますわ」


 彼女が口を開くたび、ヒメカとは違った意味で豊かなボディがプルプルします。下からタプタプしてみたいです。


「衣、電話で話したとおりです。オタクの平和を守るために、協力してください」

「ええ、ええ。青健神とやらは、コスプレ文化にまでちょっかい出してくるかもしれませんものねえ。喜んで協力させてもらいますわ」

「コロモ、サンキューソーマッチです」

「礼には及びませんことよ。それに、姫花があたくしのコスプレ衣装を着てくれると思うと嬉しくてしょうがありませんわ。今までどれだけお願いしても、うんと言ってくれなかったのですから」

「だって、私用に作ったっていう衣装はみんな胸の谷間がくっきり出るやつじゃないですか……」

「せっかくいいもの持ってるんだから、有効活用しなくては」

「こ、今回だけですからね。恥ずかしいのは変わらないです」

「堂々のコスプレより、恥ずかしながらのコスプレがグッドでしょう」

「フラットと言いましたね? あなた、なかなかよくわかっているじゃございませんか。それで、まずは何を試します?」

「オー、それはヒメカが決めてください」

「わ、私がですか?」

「オフコース。エブリシング、セルフで決めるがベストです」


 何度もウンウン言いながら、彼女はやがてそれをチョイスしました。


「じゃあ……バニースーツで」

「かしこまりました。はい完成」


 コロモが両手を鳴らしたかと思うと、目の前にバニースーツが現れました。


「さすがゴッドパワーです!」

「さあさあ、早く着てみせて」

「はうう……」


 ヒメカはバニースーツを抱えて、隣のルームへ行きました。それまでの間コロモとトークでもしましょう。


「あなたはニッポン中のコスプレイヤーのマインドから、生まれた存在なのですね?」

「ええ、ええ。そして今やコスプレは世界共通語となりましたわ。この素晴らしき文化を守るためにも、姫花には頑張ってもらわなければ」

「バトルできるゴッド、他にもいればベターですが」

「あたくしは見てのとおり、コスプレ衣装を作るしか能がございません。オタクは内気でおとなしい人たちがほとんどでしょう? だから、その彼ら彼女らの心から生まれたあたくしたちオタクの神々も、元来荒事に向いていません。唯一といっていい例外が姫花です」

「ホワイ?」

「オタクには常に、敵がいるものです。自分たちの文化を不当に害そうとする敵が。フラットにも心当たりはございますでしょう?」

「イエスです」


 アメリカいた頃も、オタクカルチャーをダーティーなものとして見る人は少なくなかったです。ニッポンはどの国よりもそうでしょうが、アメリカでもオタクたちがバッシングされてきたヒストリーあります。さようなことなければ、世界はもう少し過ごしやすい思います。


「だから御宅大神には、いざというときに戦う、そして勝つ――そんなオタクたちの理想が詰まっているのです。あの子こそが、オタクの希望の形ですわ」


 その希望のファイターが、バニールックで現れました。


「あ、あまりジロジロ見ないでください……」

「……ファンタスティック。ゲームで見るより、ずっとグレイトです」


 ゲームよりもリアルな、ビッグなホワイトフルーツがダブルです。そしてゲームにはない、動くたびシェイクがあります。イッツパーフェクト!


「ええ、ええ! こんな見事なバニーちゃんは見たことございません」

「そ、それでどうするんですか?」


 ワタシの目は、きっとモンスターのようにフラッシュしたでしょう。


「セクシームービー、ゲットです!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る