ディフィカルトプロジェクト!

 今ニッポンはゴールデンウィークなるロングホリデーにインしたばかりですので、じっくりコトコトこのプロブレムに付き合えそうです。できるだけスピード解決して、ゴールデン秋葉原をエンジョイしたい思います。

 さてワンナイト経って、ワタシはマイハートジャンプさせながらパソコンの前にシッダウンです。隣にはオフコース、ヒメカがいます。ワタシのベッドでよくスリープできたようで、ナイスな顔です。ワタシは床でスリープしたので少し背中がググッとなってました。さような意味でも、このプロブレムはスピード解決しなければでしょう。


【異国の者がノベルゲーム「アキバ☆エイトミリオンズ」を実況してみた】


 動画のタイトルはさようにシンプルにしてみましたが、ユーザーの目には届いたのでしょうか。ほとんど見られていなかったらどうしますか? ワタシのプロジェクトは早くもストップと言わざる得ません。

 いよいよワタシは動画のページをオープンします。

 PV数を示すところ、そこに。


「五千ですか! 今はゲーム実況者がたくさんいて競争が激しいですけど、たった一晩でこの数はたいしたものだと思いますよ」

「ムムム、さようなものですか」


 アメリカいた頃はこの十倍はヒットしておりましたが、やはりニッポンではワタシはよく知られていません。前から知ってたヒメカのほうがレアなのです。

 ディスプレイの中からのセルフボイス聞きながら、このプロジェクトで一番大事でしょうユーザーのコメントをチェックします。


〈すげー綺麗なグラフィックだな。エロいし〉

〈フルボイスってのはすごいな。声優誰だ?〉

〈本当にこれフリーなのか〉


 ストーリーはまだオープニングですが、そのクオリティはたくさんユーザーからグッジョブされております! さすがはゴッドハンドでメイキングされたゲームでしょう!


〈日本語少し変だけど上手いなw〉

〈この感じ嫌いじゃないぜ! 続きはよ〉

〈オッパーイじゃねえwww〉


 ついでにワタシのLPも、どうやらグッジョブ言われているらしいです。変だけど上手い、そう言われるはどんなにハッピーでしょう。

 さて、スタートダッシュできた思いますが、カンジンのこと聞かなければなりません。


「パワーアップしてますか?」

「……ええ、ほんの少し。効果は確かにあるみたいです」

「あと必要どれだけです?」

「そうですね……。少なくとも再生数が累計で数十万……いえ、百万は行かないと厳しいです。それも長い時間をかけて伸びるというのではダメです。上がったパワーは、ずっとそのままキープできるわけではありませんから。爆発的に、短時間で伸びなければ」


 すぐにミリオンヒット。そいつはベリーヘビーです。

 ひとつ確かです。このペースではプロジェクトはミチナカバストップせざる得ません。


「ネクストタイム、テコがいるでしょう!」

「テコ入れ、ですか? でもフラットの実況は面白いし、これ以上よくなりようもない気がしますが……」

「とにかくプレイです! ワタシ絶対、このLPミリオンヒットさせます!」


 ワタシはブラウザをクローズして、『アキバ☆エイトミリオンズ』をコンティニューします。このゲームのナイスポイントを、さらにアピールしなければなりません! ワタシのマイクが唸らなければなりません!

 ヒメカが困っているシーンから、Vol.2スタートです。


『パワーアップしなければ、青健神には勝てない。オタクの人たちの力を借りなければ……!』


 オー、ゲームの中でもヒメカはパワーアップの方法を考えるようです。


『そうだ、コスプレするのはどうでしょうか? ちょっとエッチな衣装を着て、オタクの人たちに喜んでもらえば……』

「なんでそうなるんですかーーー?」


 ヒメカがのけぞりシャウトしました。この動画見るとき、ユーザーは突然の誰かのボイスに驚くでしょう。


「ノーノー、マイクにヒメカのボイス入ってしまいます」

「ご、ごめんなさい」

「エブリワン、今のはワタシのフレンド、ヒメカです。いきなりソーリー。オー、たまたま彼女マイルームいるです。気にしないでよいでしょう」


 ハウエバー、さようなアクシデントもLPのスリルです。だからリンキオーヘンアクションが、グレイトなLPのキーともなるのです。

 さてネクストシーン。ワンデイ休んだヒメカは、再び秋葉原にゴーです。そしてメインストリートに向かいます。

 そのとき、ポコンとポップアップが表示されました。


【コスプレ衣装を選べるようになりました。】


「ホワーッツ?」


 メニュー画面をオープンすると、これまでなかった「コスプレする」なるメニューがあります。

 さらにそれをクリックすれば、数え切れないコスプレ衣装がチョイスできるようなっています。


「な、なんですかこの意味不明なシステムは」


 またヒメカのボイスが入ってしまいましたが、むしろこのほうがファニーかもしれません。


「なんでもグッドでしょう。まずはバニーガールさせます!」

「そ、そんなあ」

「なぜヒメカ嫌がるですか? これはアナタでないです」

「そうなんですけど……」


 ワタシはニヤニヤ、ヒメカはウロタエです。どんなゲームなるかはわからないとミユは言いましたが、ワタシの期待よりずっとマーベラスです。

 バニースーツをチョイスすると、ゲームの中のヒメカは、たちまちバニーガールにチェンジしました。ビッグなホワイトフルーツがダブル!


「フォーウ! オッパイ! タニマ!」

「そ、そんなに叫ばないでえ」


 ワタシはますますエキサイトします。そしてユーザーはワタシよりもエキサイトする違いないです。

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