第2話

いやいやいやいや!


え!? なんで、こうたが、こんなに縮んでんの!?


てか、子どもの頃から目つき鋭いんだな。でも、子どもだとギャップがあって逆に可愛いかも。


とりあえず、アタシはその子に近づいて話しかける。


「どうしたの? お母さんは?」


しかし、彼は泣いたままで、言葉が出せないでいる。


こういうときどうすれば……。


そう思いながら屋台を見ると、ラムネを売っている店が一つあった。


お祭りにラムネって珍しいなと思いながら、アタシはラムネを買い、その子に与えてみる。


すると、その子は泣き止み、ラムネを飲む。


だんだんと顔が明るくなっていった。


それを見てると、アタシも笑みをこぼしてしまった。


しゃがんで、目線を同じにしてから、頭を撫でる。


こうたは笑顔で「ありがとう、お姉ちゃん」と言った。


その途端、場面が暗くなり、目を開けると、自分の部屋の天井が目の前にあった。


▷▷▷▷


「って、夢を見たんだけど……」


と、アタシはあゆみに相談した。いや、雑談か。そこまで深刻な悩みではないし。少し気になっている程度。


あゆみは、フムフムと腕を組みうなずいている。


そして、一言。


「それは、時間旅行タイムリープだよ」


時間旅行タイムリープ?」


「そう……。きっと、こうた君と出会い乙女心がときめいたかなえちゃんは、心臓の鼓動が彼とリンクしたことによって、時間旅行タイムリープができるようになったんだよ!」


「……は?」


「だって、こうた君と会ったとき、『どこかで会ったことある?』という意味深な言葉を残したじゃありませんか〜」


「いや、だって本当にそう思ったんだよ。別にあいつに惚れたから、ついた嘘じゃないよ」


「じゃあ、本当に会ってたんじゃないの? だって、その時間旅行タイムリープでいた子どもがこうた君だってすぐ分かったんだよね?」


「そうだね」


「普通、そんなにすぐ分かる? 初対面の人の幼い頃の姿だって」


たしかに……。あゆみにしては的を得た疑問だ。


そうか、アタシたちは昔どこかで会っていた。だから、見覚えがあって、子どもの姿でもすぐにあいつだと分かった……。


突拍子もないことかもしれないけど……。


「あゆみの言う通りかもしれない。話聞いてくれてありがとう、あゆみ。」


「どうもいたしまして。そうか〜、こうた君のことが好きだと気づいて嬉しいよ〜」


「いや、それはない」


アタシは真顔で反論した。



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