赤い空
物
プロローグ
何かを、言おうとしていた。
その言葉が他人にあてたものなのか、
自分へのものなのか。
考えてもいまいち思い出せないが、それは大した問題ではないからだろう。
「あーあ、退屈だなぁ。」
蜻蛉を追いかけ見上げた空は、きれいな茜色に染まっていた。
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