第11話眞王様妖精猫と対面する。
俺達は急いで戻って来たキャットピープルの男性の案内で妖精猫がいる屋敷へと向かった。
「着きました。此方が妖精猫様のお屋敷です。」
「はっ!?えっ!?マジっ!?はあぁぁ~スゲーな!超豪邸じゃん!」
俺は余りの家のデカさに感嘆の声が洩れた。それは例えるなら良くテレビとかで見掛ける有名人のお宅拝見で出てくる様な豪邸であった。
俺の雀の涙程の給料でこんな豪邸を買ったら一体何百年ローンになることか。先ず、俺が生きてる頃には支払いは終わらない事は間違いはなしだな!そもそもローンさえ組めない気もするが・・・まぁそこは考えないでおこう。うん。そうしよう。
そんな俺を見てリリムは何をそんなに驚いているんだ?という様な顔でこちらを見ている。
「主様何をそんなに驚いておるのかぇ?」
「何・・・ってそりゃあこんな大きな屋敷を目の前で見たら誰だって普通驚くだろ?」
「そうなのかぇ?妾の屋敷も大体この位の大きさなんじゃがのぅ。それに各領地を治める領主の屋敷も何処もこんなもんじゃよ。主様の住んでいた屋敷は余程狭い屋敷なんかぇ?」
「うるせー。どうせ俺の家は築25年家賃7万のワンルームの寂しい独り暮らしだよ!悪かったな!」
「途中何を言っているか妾には理解出来なかったんじゃが、主様の住んでいた屋敷は妾の考えが到底及びもしない程みすぼらしい寂しい暮らしじゃったんだと感じたぇ。」
「うるせー!みすぼらしいは余計だわ!」
そんな俺達のやり取りを見ていたキャットピープルの男性とゴブリン達もまたもや苦笑していた。
「で、では私はこの辺で・・・。」
キャットピープルの男性は微妙な空気が漂っているのを察してかそそくさとその場を後にした。
「さて、行くとするか。」
俺達は屋敷へと続く門を通ろうとした瞬間、然も当然の如く門番に進路を阻まれた。
「ここは妖精猫様の屋敷である。理由なき者は何人たりとも通る事はまかりならん!」
うわぁ~。先程案内をしてくれたキャットピープルの男性と違い、門番は正に獣人です!って顔してる。何故なら顔がライオンの顔してるんですもの。もう1人いる門番の顔は・・・あっ!こちらの方は虎さんですか。ってこわっ!顔、こわっ!後、厳つい・・・。
するとリリムが厳つい獣人の門番の前へと立ち
「お主の主にリリムが来たと伝えた筈じゃが、お主らには伝わってなかったのかぇ?それとも妾と妾の主様を小馬鹿にしているのであれば、事と次第に寄っては妾はここで一暴れしても一向に構わんのじゃが?」
リリムの怒気がはらんだ言い方に流石の強面さん達もタジろいでいる。
うわー。リリムって怒るとこえー。今度から少し気をつけよう・・・。
「んぐっ!ちょ、ちょっと待たれよ!今、妖精猫様に確認してみる。お、おい!お前、ちょっと妖精猫様に伝えて来てくれ!」
「お、おう!」
リリムの凄みが効いたのか獣人は後退りし、もう1人の虎顔の門番に屋敷の中へと急いで確認させに行った。暫く待っていると虎顔の門番が戻って来た。
「大変お待たせしました。リリム様とその御一行様。我が主、妖精猫様がお会いになるそうです。皆様どうぞ中へ。」
虎顔の門番の案内で屋敷の門を潜り、屋敷の中へと入って行った。
「では、ここからはワタクシが案内をさせて頂きます。」
屋敷の中へと入ると今度はキャットピープルの女性のメイドさんに案内を交代した。
おぉ~!日本でのメイド喫茶のメイドさん達も捨てがたいが、このキャットピープルのもふもふ感溢れるメイドさんの破壊力は凄いな!
メイドさんの案内で後ろからついて行っているが、メイドさんが歩く度に揺れるプリプリのお尻とふわふわでさわり心地が良さそうな尻尾はマジでヤバいな!ケモミミもふもふメイドさんアリだな!
そんな俺を見てリリムは不機嫌そうな顔をしている。
「痛っ!何すんだよ!いきなり!つねるなよ!」
「ふん!知らんのじゃ!主様なんて!」
「はぁ~?俺が何したっていうんだよ?」
「分からなければ自分の胸に手を当てて聞いてみるが良いのじゃ!」
「何言ってんだよ。意味分からん。」
そんなやり取りをしている内にどうやら妖精猫のいる部屋の前へと着いたらしい。
「此方が妖精猫様のいらっしゃるお部屋でございます。どうぞリリム様とお連れの様だけ中にお入り下さいませ。」
メイドさんから告げられるとゴブリン達には扉の前へ待機させ、俺とリリムは妖精猫がいる部屋の中へと入っていった。
さっきから俺がリリムの連れと思われているのは若干癪に障るが、まぁこの際どうでもいいか。中に入るとそこには、大きな椅子にその巨体を乗せ、キセルを吹かしながら座っている猫がいた。
これが・・・妖精猫ケット・シー!?確かに頭には冠を載せてるけど、ふてぶてしい顔をした只のデブ猫じゃね?それに妖精猫なのに何で日本の三毛猫なんだよ!確かに三毛猫の雄は稀少って何処かで聞いた事あるけど、流石にこれはなぁ・・・ないわ~。
「おみゃあさん達か?ミーに用があるって言うのは?」
妖精猫は不敵な笑みを浮かべていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます