ウェスト・ワンダーランド

軽見 歩

プロローグ

  西部開拓時代が始まって間もないころ・・・突如、太平洋に謎の大陸が出現した



      「新生大陸パシフィクス」



 そう名づけられたその場所は、豊富な資源と未知の技術で出来た遺物とモンスターの巣窟だった


 開拓のため多くの火力を必要とされ、アメリカ政府からも独立した後も腕に覚えのある流刑囚や流れ者を受け入れ発展し続ける魔の大陸は銃と力、そして財力が支配する混沌とした土地となっていた


 そんな大陸に一人の男がやってきた。元牛追いだと自称しているがカウボーイにしては何処か威圧的で、ガンマンとしては抜けている


 早撃ちなんてまず無理だろう、本来なら自慢の拳銃があるような場所にデカデカと切り詰められたショットガンが差してある。あれで不意の襲撃にどう対処するの言うのだろうか、背中に背負ってるライフルなんて論外だ


 何が問題かだって?三文小説ダイムノベルでよく決闘に使われてるが、早撃ちってのは本来は護身術さ、不測の事態に如何に早く対応できるかってな。銃を早く抜けないってのはガンマンには大問題よ


 じゃあ本当にカウボーイなのかも疑問だ。身体に巻いたベルトなどの装備が邪魔して落馬した時に受け身が取れるかも怪しい。この男はパシフィクスで何をしようとしているのか――――

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