第22話神って何がしたいんだろうね…

「では、授業を始める」


 先生がそう言った時反射的に号令を待ってしまった。ちょっと恥ずかしい。


「前に、編入生供に簡単な問題を出す」


 俺の号令待ち状態は誰が解除してくれるのだろう…


「では、エリスからだ。一応言っておくが、学校内では身分は平等とされ

 るから王族でも敬語は使わないぞ」


 へー。俺平民って事で結構言われたんですけど、アレなんだったんだろう

 な〜‼︎


「はい。存じております」


「じゃあ、基本問題。魔法の種類を全て言え」


 種類って属性の事か?


「はい。属性魔法・固有魔法・精霊魔法・儀式魔法・即効魔法・古代魔法・付与魔法・永続魔法です」


 多いな…


「正解だ。次はアンジェロ、現存する魔法職を全て言え」


「先生。一応私はメイド扱いなのですが…」


「生徒名簿に書いてある以上はここの生徒だ」


「…わかりました。上位職もですか?」


「勿論」


「魔法師→魔道士→大魔道士、魔鍛治師マジックアイテマー→魔鍛造師、魔術師→魔戦士→魔剣士です」


 魔術師と魔法師の違いがわからん…


「まあ、ドラゴンライダーも入れれるが、アレは今回は無しでも良いな。では最後にサイトだが…」


 ゴクリと喉を鳴らしそうになる俺。


「お前は授業中に出題しよう。向こうの準備も出来た様だしな」


 向こう?そう思った時、神社の裏から誰かが震えなが出て来た。


 …あきらかに日本人の姉妹だ。見た目は2人共、大和撫子で黒髪ロング。服装は巫女服で何故か首輪。姉は巨乳、妹は爆乳。歳は姉が16で妹が13位か………‼︎


 ロリ巨乳ならずのロリ爆乳だと‼︎


 だが何故か2人には首輪がついている。


「校長が旅先で攫って来た奴隷だ。校長曰く『今回の授業で私からの問題を解いた者に首輪の鍵と奴隷の所有権を贈呈する』との事だ」


 え、マジで‼︎妹の方凄えタイプなんだけど…じゃなくて‼︎攫って来たというのがいただけない。ここは問題を解いて2人を…


 ピロリロリン♪


 …なんか聞こえた。異世界ではあり得ない電子音が…


 辺りには何も無い…メニューか‼︎なんか機能が色々増えてる‼︎


 取り敢えずメールが新着一件になっているので開く。



《ミッション:選べ。1、プロポーズしてテンパられる

 2、告白して玉砕する


 報酬:無限に金貨が湧く袋(出所は不正に稼がれた財産)》



 …説明一切無し‼︎そして余計なお世話だ‼︎だが金は欲しい…


 創ると価値が下がるからな。


 ここは1で…


「結婚して下さい‼︎」


 俺は告った…。日本語で。


 誰にとは言わずもがな、妹の方だ。


 彼女は顔を赤くした。…どうやら日本語は通じるらしい。


 なんか何処からか殺気を感じるが(念の為硬質バリアを張って)無視。


 お姉様の方が目を丸くして俺を見ている。俺を日本人として認識したのだろう。


 大丈夫‼︎さっきステータス見たら15歳だった‼︎コレは合法だ‼︎俺はロリコンじゃない‼︎ただロリ巨乳が好きなだけだ‼︎うんそうだ‼︎


 そして結果は…


「あぅ〜いきなりプロポーズされましたってアレ⁉︎言葉がわかります‼︎」


 少し震えが治った様だ。


 赤くなってて可愛いハァハァ。やべえ萌える‼︎


 そこで俺は正気に戻った。辺りを見回すと…


 なんという事でしょう。冬の冷気を連想させる冷たい視線がレーザーの様にズバズバと突き刺さっているではありませんか。


 よく考えればこいつ等は日本語を知らない。


 そんな奴等からすれば、俺が発言して少女が赤くなる…犯罪じゃねーか‼︎


「…………………」


 続く沈黙。その空気を振り払ったのは先生だった。


「さて、サイトの奇行は置いといて、問題出すぞ〜」


 ミッションのせいなんだけどね‼︎アレ‼︎しかも何気にプロポーズを否定された…


 落ち込む俺を他所に話しは続く。


「問題『この2人は魔法職である。さて何の職業か』サイト答えろ。3回間違えたら次行くからな」


 ありがとうございます先生…


 俺はチャンスをくれた先生に心の中で感謝しながら答えを言う。


「巫女さん」


「不正解」


 ?えっ?巫女服着てるのに?巫女じゃ無い?えっ?嘘?


 取り敢えず整理してみよう。まずこの2人の容姿・服装・俺を見た時の姉の反応から間違いなく日本人だ。


 そしてピクシーも日本があると言っていた。更に問題に出す位だからその国独自の職業に違いない。


 そして日本で魔法職と呼べる様なものは思い付く限りでは3つ。


 妖怪・呪術師・陰陽師だ。妖怪は職業じゃ無くて種族の気がするのでどちらかの筈…


「陰陽師…か?」


「正解だ」


 先生は驚いた様子で俺に聞く


「何故わかった?この職業は彼の国にしか無く更に校長が初めて見つけた国だぞ」


「いや、故郷なんで服装から見てわかりますとも…」


「いや、初耳だが‼︎」


『そりゃあ、さっき知ったから』とか絶対言えねえな…


「じゃあ鍵と書類だ。一応奴隷だが校長は手を出していないから好きに使え」


 奴隷は日本人として抵抗が…俺SMどっちでもないから、好きな子を奴隷っていうのもな〜


 逃すか…


 そして授業は進んで言った。


 キレそうなアンジェと、殺気を放つエリスと、何か聞きたいが、今喋るとどうなるかわからないから喋れない巫女2人を他所に…


 …神よ授業後の修羅場を回避させて下さい。


 つかミッションの報酬何処?

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