第2話願い

 目を開けたらそこは…


「は?」


 思わず呟いてしまった。


 考えてみて欲しい『異世界に転送します』と言われたら、普通街や草原などを想像するだろう。


 だが、俺の周りにはひび割れた大地と、溶岩を噴き出している火山しかない。


 空には火山灰が広がり、まるで夜のように暗い。光源は溶岩だけだが遠くまで見通せる。


理由は簡単だ。遠くまで似たような景色だからだ。溶岩が発光して良く見通せる。


 俺は何故無事なのか?おそらく俺を包む半透明の青い球状の膜のおかげだろう。


「俺ここで生活するの?」


「正確には違います」


「うわっ!」


 すげぇビックリした!独り言に返事された!


 来た時には誰も居なかった場所に例の不審者がいた。


「どういうことだ?」


 私的には『』の部分が非常に気になる。


 えっ、俺本当にここで一生を終えるの?と一瞬思った。


だが、冷静になるとここはちゃんと異世界だ。


 地球でも此処まで広い活火山のある地域はなかったハズだ。


「もうお気づきでは?此処は異世界ですよ」


 異世界だと確証を得た俺は1つの仮説を立てた。それは…


「…形が出来たばかりの星」


「正解です。これから海と生物を生成しますが、その前にやっておきたいことがあります」


 真面か…娯楽の為にここまでやるか!


「転送前に話した通り願いを叶えます。もちろん物でなくともかまいません」


 すっかり忘れていた。だが此処でやる理由は何だろう?


「もし、貴方の願いが世界の破滅などと言った場合、目の前で壊して創り直すからです。それにもし異能や武器などを所望された場合此処で試し撃ちも出来ます。」


 出た答えに納得した。これなら不満は出ないだろう。(心を読まれたのは不満だが)


「ご理解頂けて何よりです。それでは願いを言って下さい。」


 俺にも厨二病の時期があった。もちろんこういう状況(景色は違うが)を妄想した事もあった。


だから、答えは決まっていた。


「俺の願いは…」




「創造する能力だ」




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