88.「 」
活動を開始した【
「ありゃパっ」
おかしな声を出した【
「っ──! 【
【
「う、ふ」
生来の
「ガっっっバぁあ!!??」
ただの前蹴り。それ一発で
「ぐっ……ア”」
勢いのままに中空へと舞い飛んだ【
「………………うふ」
目ぼしい標的を見失った【
どころか。
「うふ、うふふふふ。うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
その含み笑いは留まることなく零れ続ける。
やがて、終末の駆り手──【
目的は無く、ただ目前の世界に終わりを齎す為に。
この江ノ島が青褪めた車輪によって轢滅されるまでの時間は──そう長くはないことだけは確かだった。
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「いやーーあっはっはっ。死ぬかと思った」
「「「死ねばよかったのに…………」」」
「声を揃えて酷いこと言わない! 泣くわよ!? 泣いちゃうわよ!?」
【
「流石にイルマはグロッキーねー。しばらく休んどいてくれて構わないわよ。監獄の外枠だけ維持してくれれば」
「休んでいいといいつつ働かせとるやんけ」
「ブラックの極みですね…………ともあれ、先程は助けていただきありがとうございます、【
下半身を消し飛ばされて回帰も間に合っていない【
【
「…………問題、ない」
上半身だけの身体で、それでも【
「問題なくないでしょーよ、ちゃんと苦情入れんとあきませんよ」
「ホント真面目ですよね、【
再び集結した【
「【
「【
「そりゃあお疲れさまやねー。取り敢えず【
【
名前──もとい、
「…………」
未だに意識は戻らないまま、生前に
「新戦力──いや、戦力としてはぶっちゃけどうでもいいんだけどね。そんなのはキリアちゃん一人で足りてるし」
「ごもっとも」
【
「ただまあ、あの【
「ありきたりだな」
「
「親の顔より見た展開ー」
「もっと親の顔みなさい!」
「ウチ親の顔とか知らんし」
「サラッと重いこというねめいちゃんは…………兎に角! 新入りなんだからみんなで教導してあげてね。えーっとほら、まだ監獄内に梟達の生き残りがいたでしょ。初戦の相手には丁度いいだろうし、連れて行ってあげてくれない?」
「ウチはやですよ。もー懲りました。しばらく休みます」
微塵も態度を変えぬまま新しい仕事を押し付ける上司に流石に辟易した様子の【
「ならば私が出ます。新入りがどんなものなのかは多少の興味がありますので」
それを見て手を挙げたのは【
「あれ? キリアちゃんが出てくれるの? それはありがたいけど、正直言ってキリアちゃんが楽しめるような相手はいないと思うわよ」
「ご心配していただかなくとも、そこまで高望みはしていませんよ…………単なる好奇心ですので戦る気はありません。…………今の【
「それはダメー。今はあの子は自由にさせとくの。イエス、【
「わかっていますよ。では──【
倒れ臥したままの【
「あー! 私達も観戦したいから【
「…………わかった」
「いやだからわかっちゃあきませんって。ワープ持ちの宿命とはいえ、酷使怖ぁ〜〜…………【
「さっき監獄の維持だけでいいと言った舌の根の乾かぬうちに…………」
そんな周囲の言葉など届いていないかのように【
「さあーて、新入りくんの初陣をみんなで観賞しましょうか。じゃ、にっしゃん。なんか飲み物持ってきて。暑い。炭酸がいいな」
「了解です」
「他人をこき使うのが堂に入り過ぎとる…………」
ともあれ、その場に残された
◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■
■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆
──
そんな中で雑に強襲してきた【
そこにやってきたのが──
「はぁ…………ったく、何がなんやら」
【
「新手、みたいね…………」
戦闘に立って気丈にその刀剣を構えたのは
敗北に立ち止まっている余暇など無いと背後の二人を庇うように佇んでいる。
(敵は…………二体?)
湘南の道路の上で青年グリムと相対しながら、
【
「私の事はお気になさらず。たとえあなた方が彼を倒したとしても私が動くことはありませんよ。私はただのお目付け役なので」
心底興味なさげに【
「…………
「…………当たり前でしょ」
「戦えなかったら死ぬだけだ。戦るしかないだろ」
「だよね」
短く決意の言葉を交わし、三人は
(勝算はある──さっき
得体の知れない相手だが、臆して後手に回る方が
「ん、ノーーーー!!
そこに割り込んできたのは──楯持つ少女。
その直後に。
──ドドドドドドォン。と、轟音六つが響き渡った。
「な、え。は?
その盾──【
問題は、直後に響いた、六連発の銃声だ。
「今、のは──姉貴の、【
血の気が引いた顔で、喘ぐように
その銃声を──実の姉である
「あー…………防がれたな。指令実行のタイミングがちょいと遅れた。距離があるとラグが出るのか? 初めてだから暗中模索もいいとこだ」
「て、めえ…………!」
「ここ、ここここは、駄目ですぅ!
「──は!?
「説明してる余裕は絶無ですぅ!
「あーもー、これ止めなきゃだよな? ええっと武器の出し方…………こんな感じかっ?」
どこかおっかなびっくり気味に青年
「くっ…………⁉ あんた、
それの刃を受け止める
「俺の能力…………【
そんな対峙を傍から眺める【
「ネタバラシとは随分と余裕ですね、新入りの身で。まあ、このレベルの相手にネタが割れただけで負けるようなら用はありませんが」
「手厳しいねぇお嬢ちゃんは」
「お嬢ちゃんじゃありません。【
「じゃあそっちも新入り呼ばわりやめてくれ」
「他に呼び方がありませんので」
「じゃあさっさと呼び名つけてくれっての。単純に不便だろ」
「それもそうですね。では失礼して、私の一存で──定型化された死を齎す我々大多数の
【
「司る【
【
「……………………いや何で能力バラすの!?」
「あっ」
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