76.油断
「…………チッ」
牢獄と化した湘南の
首謀者兼傍観者である二名の片割れ、【
「ん? どうしたの、イルマ?」
向かい合う席に座っている彼の上役、【
「…………狙撃の
「あらら。狙撃部隊と言えば…………
ズゾゾ、とフルーツスムージーを啜りながらに【
「てか、戦局は重ならないように分断して調整してたんじゃなかったの? 監獄長として怠慢じゃない?」
「無茶を言うな無茶を。湘南を俺の監獄内へと堕とし、監獄を分割して
「そうねー。流石にこれ以上ぐちゃぐちゃにしたら不確定要素が増えすぎるし。といっても
「だから、現在進行形で戦局の維持に手一杯だと言うんだ。…………チッ。特に【
「んー、やっぱフィールドが狭すぎたかしら? もっと監獄広げたりとかは?」
「今でもう限界越えてるレベルだ。【
しかめっ面しながら語る【
「んー、じゃあイルマから手出しは出来ないってことね…………うーん…………よしっ! 二人には自力でなんとかしてもらうことにしましょう! 信じてるよ、にっしゃんにめいちゃん!」
結局丸投げか、という言葉は呑み込みつつ、【
◀▶◀▶◀▶◀▶◀▶◀▶◀▶◀▶
▶◀▶◀▶◀▶◀▶◀▶◀▶◀▶◀
「ざっけんなあーーーー!!!! くっっっそ…………なんやねんもー! イルマの旦那の手落ちやろコレ! 乱入は聞いてへんわ!」
「愚痴りたいのは山々ではありますが、言っても仕様がありません。眼前の相手から始末していきますよ、【
襲いくる弾丸に苦慮しつつ、【
「させるか!」
「行かせない……!」
その行く先を
「足掻きますね──少々の援護があっても、この状況はそうそう引っくり返りませんよ。否、返させません」
「それを返すのが
狼牙棒型
【
「…………【
【
「くっ、そっ…………!」
「そうはさせない!」
【
「おおっ…………!」
加えてそこに
結果、五つの巨刃は
「ええい、鬱陶しい…………!」
【
「ここだ! 攻め込めぇ!」
「ああぁぁっ!」
「おっとぉ! 【
「今度は、ワタシが通さないっての! 【
「うわっちょっ、危なぁっ!」
窮地の
もはや並大抵の攻撃などまるで受け付けない偏在強度を獲得した【
「生憎と形勢は逆転してるのよ──みんなが【
「あらそう。そんならしゃーない──ここで始末してまおっかなぁ!?
赤黒い死棘を纏ったその腕で空を薙ぎながら、【
対して、
「ああああぁぁっ!」
「せいっ!」
「チッ…………!」
しかしそれは。
「ぐっ───おのれ利かない攻撃をネチネチと!!」
──相手が二人のみだった時の話。
けたたましい金属音を炸裂させ、【
「煩わしいっ…………! 【
十字を切って振るわれた両腕の刃、それから紙一重の差で逃れつつ、
それを見た【
「これ以上粘って何になるとでも? 貴方達では私達の装甲は穿てない!」
「さぁて──それはやってみなきゃあわからない。少なくとも僕らは決して諦めないぜ」
「──ああそう。では、すぐに諦めがつくようにしてあげましょう」
そこから【
「──来るぞ! 構えろ
「はい!」
両者が腰を落とし、防御体勢を取った瞬間──
「【
【
それは次々と枝分かれして合計11の刃となり、全方位を根刮ぎに切り刻まんと暴れ狂う。
「来るんだ!
「はい隊長!」
「く、おおおお!!」
「あ、ああああ!」
武器が、そして全身が軋み、揺らぎ、悲鳴を上げる。
折れんばかりに歯を食いしばり、二人は踏ん張り続けた。
そして。
暴嵐は過ぎ去る。
「──行くぞ!」
「はいっ!」
大技を放ったその
「無駄です。この程度で私の攻撃が終わるとでも──」
『
そこに
「利かないと、言ってるでしょうがっ!!」
怒声を上げて【
『これならどう──【
──ピシリ。
【
「…………サンキュ、姉ちゃん」
そこで、七発目が放たれる。
左足を刎ねられた
【
仲間達が必ず作ると信じた隙を待って。
クロスボウ型
「馬鹿、なっ」
「おおおおおお!!」
間髪入れずに振り下ろされた
「が、ハッぅ!」
ビシビシ、と
「決めるんだ
「う、ああああああああぁぁぁぁっ!!!!」
閃光が
飛び散る鮮血。
頽れ、その場に膝をつく【
「勝っ──
「【
ドッ。
鈍い音が響く。
マルいものが宙を舞う。
「 」
声にならない声が響く。
【
それは渾身の一振りの余韻で硬直していた
ドチャリ。
「っ、うああああああぁぁぁぁ!!」
絶叫する
「っっ、とぉ! そうは、いかさん!」
ガシャアン! と音を立てて【
「【
叫びながらやってきた【
そしてその代償に伸びた射程を活かし、
「待ちなさいっ! 【
叫ぶ
「待つわけないやろ。安心しなぁ、今回はウチの完敗やで
そうして【
「待てえ!
引き裂くような絶叫を上げるのは、
「は、八人がかりでかかってきてようぬかすもんや。ま、卑怯もん呼ばわりしたけりゃどうぞご随意にー。ほな、さい、なら!」
そして【
「あ」
その場に崩れ落ち、四つん這いになる
「あ──ああああああああぁぁぁぁ!!!!」
【
対。
【
勝者、【
その闘いを、眺めているものがいた。
その者は、
その
その
その
「……………………………………………………………………………………………………………………………………………あひゃ♡」
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