《Grim》─現代死神異聞録─
爪切り
しがないおとぎばなし
0.余罪
──死神は、今にも消えそうになっている小さな燃え差しを指差し、「見ろ、そこにあるぞ。」と言いました。
「ああ、名付け親さん。」とおびえた医者は言いました。
「僕に新しいのをつけてください。僕を愛してくれるならそうしてください。僕が人生を楽しみ、王様になり、王様の美しい娘の夫になれるように。」──
──グリム童話「死神の名付け親」より。
その都市伝説がにわかに電子の海に蔓延り始めたのが、ちょうど五年前からだと知るものは少ない。
その内容は、こんなものだ。
煌めく光が、濁ったら。
漂う空気が、淀んだら。
聞こえる音色が、歪んだら。
見える世界が、変わったら。
死神の鎌に、気をつけて──
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます