第14話 王を裁く者

 シュンカは落ちた。

 5か国の連合軍から同時に攻められたのである。

 もともとは小国、領土も狭く貧しい国。


 欲しいのは…魔法炉のみ。


 ユキにそそのかされ、御ぜん立てされた名ばかりの同盟。

 もろく…危うい。


(バカ共が先走る前に……)

 身を潜めていたユキはシュンカに戻り、5か国の王をシュンカに呼び寄せた。


「シュンカは…約束どおり、自治区とします」

 ユキが各王に取り付けていた約定。

 自治区とし、ユキが法王として統治する。

 5か国の王は、平等な立場にあり、法王が執行する法に従うこと。

 法王は王に非ず…法の番人である。

 王としての権力は持たないが、王すら裁ける権利を有する。


 ユキは王を裁く者として、表舞台に立つ。

 護法院ごほういん法王ユキ。

 法をつくり、執行する。

 事実上の独裁者。

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