第2話 魔石使い

 村を離れて5年。

 ユキは王宮で魔石研究に没頭していた。

 魔法力を持つとはいえ、その力には差がある。

 ユキの魔法力は大きくなかった。

 ある程度の魔石は扱えるものの、強力な力を秘めた魔石となると手に負えない。

 魔石使いの中では、いわゆる落ちこぼれだ。


 魔石には様々な使い方がある。

 解りやすくいえば全ての動力のエネルギーだ。

 これを蓄えた鉱物が『魔石』。

 そして、その魔力を引き出せるのが『魔石使い』というわけだ。


 魔石には様々な種類があり、その性質も様々だ。

 熱を秘めた石・逆に熱を奪う石。

 磁力を秘めた石もあれば、魔石同士の融合を促すような石もある。


 魔法力が弱いと自覚してからユキは、魔石の研究に没頭した。

 見込みのない魔法力を高める訓練より、そっちのほうが向いていると思った。

 いつしか、資料室の司書を任されるようになったユキ。

『禁書』の存在を同時に知ることになるのである。

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