後輩と友村(友)
先堂には止めておけと言われたのだけれど、どうしても気になったので、例の後輩に会いに来た。
しかし、いきなり接点のない男の先輩が、後輩の女の子を呼びつけると後々彼女に迷惑をかけるかもしれない。
そもそもこちらは興味本位で来ているのだから、時間をとらせることも躊躇われる。
せっかく一年生の教室まで来たけれど、今日は戻って、別の日に先堂似紹介してもらうことにしよう。
「あの」
だが、上級生が下級生の教室前に居すぎたらしく、声をかけられた。
声がする方を見たら、目当ての後輩が不思議そうな目でこちらを見ている。
「上級生の肩ですよね。誰か探しているんですか?」
「あ、えっと・・・・・・」
急な本人登場に、相手は後輩なのにテンパってしまう。
いや、近くで見た後輩ちゃんが、遠くから見たときよりも美人だったからかもしれない。
黙っているわけでもないので、適当な後輩の名前を出して、後輩ちゃんに呼んでもらう。
可愛くない部活の後輩を連れてきた後輩ちゃんは、礼儀正しく頭を下げて教室の中に戻っていく。
「悪い、別に用事はないんだが、あの子に話しかけられてな」
「いえ、ありがとうございます! 友村先輩」
「じゃあ、悪かったな」
後輩に別れを告げて帰る途中、先堂がどうしてこき使われているのかわからなくなる。
どう見ても礼儀正しい良い子で、クラスメイトからも人気っぽいのに。
よっぽど先堂が嫌がることをしたんだろうと、先堂の評価が少しだけ下がった。
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